盆栽講座:はじめての盆栽:「五葉松」培養のポイント home
はじめての盆栽
2.2 「五葉松」培養のポイントは2つ
 五葉松の盆栽としての人気は、黒松のように劇的な展開はなく、常にどっしりとトップクラスに鎮座し続けてきたといってよいでしょう。品種数も各地の葉性の美しいものや、八ッ房五葉といって葉がより短くて美しいものなど、黒松に較べるとずうっと多くの品種が数えられます。

 そしてこの五葉松栽培の最大のポイントは・・・
ミドリ摘み
  4月下旬〜5月上旬に、スゥーッと伸びたミドリを、強いものほど短く、弱いものほど長めに残して折り取る。要領は黒松と同じようなものだが、五葉で注意しなくてはならないことは、特に強いミドリをなるべく短く折り取る時、五葉のミドリの基部には必ず新葉が伸びない(存在しない)「首」といわれる部分があるので、その首のところまで短く折り取っては絶対いけない。黒松のように五葉松は、残った去年葉(古葉とよぶ)先端部に2番芽を発生させないからである。従って新葉となって伸びるポツポツ部を、必ず少し残して折り取ることが重要となる。これで五葉松の枝はだらしなく長く伸びないで、短い枝先となってくれる。
 またミドリをハサミで切ると、ポツポツが新葉となって伸びきった時、葉先がちょん切られたために赤くなって見苦しい葉が出ることがあるため、必ず指で折り取るようにする。適期を逃して指で折れなくなったら、やむを得ずハサミで切るしかないのだが、極力そのようなことのないように5月上旬を緊張して過ごすようにする。
古葉刈り
  人によって時期は10月に入ったら早々に行う人から冬の暇な時期の12〜2月に行う人までいるが、ここは光合成を行っている間はなるべく葉を多く残し、休眠期に入ったら一刻も早く枝元に太陽光線と風とを当ててやるため、11月をベストタイミングとしておく。
 11月に入ったらすべての枝の去年葉を、今度は必ずハサミを使って、基部を2〜3mmほど残して刈り取る。そうすることで五葉松の枝が太くならないことと、それ以上に枝元や枝懐部分にまで太陽光線が差し込み、通風がよくなるため、なんと新芽が当たりにくい五葉松の枝途中に、「不定芽」という今まで眠っていた新芽が吹いてくれるようになる。これは五葉松栽培家には夢のような大快挙である。この不定芽を大切に育てて、とかく間伸びしやすい五葉の枝を、枝途中にも小枝をもった美しい枝として形づくるのが、五葉松盆栽培養の最大眼目といえるのだから!
 ただし古葉を黒松のようにピンセットなどで引き抜くと、葉のつけ根の皮も一緒に剥がすことになり、そこは永遠に新芽(将来の枝途中の夢の不定芽)が発生しなくなる。これは五葉松栽培家にとってはまさに犯罪的行為といってよい。必ずハサミで切る。あとは多肥栽培を続けてより不定芽が発生しやすいようにする。
 以上、春のミドリ摘みと晩秋の古葉刈りさえ遺漏なくこなせば、他にも色々と作業はあるものの、五葉松は確実に樹格をアップしていってくれる。

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