鉢花講座:植え土について 用土の大原則 home
鉢花講座
2.1 植え土について<用土の大原則>
 鉢花を健全に育てるためには、用土というものが非常に大切なウェートを占めることになります。なにしろ何号(何cm)という鉢の限られた容積内で植物を育てていくのですから。
 しかしこの用土についても、多くの人はとても大きな誤解を抱いたまま、日々植物と接しているのです。そこでここでは今まであまり語られなかった驚きの「鉢花・用土論」を大胆に展開していきたいと思います。

用土のびっくり大原則
 まず最初に、皆さまの度肝を抜く大原則が、

用土は保水性・通気性が良ければ何でも良い
というものです。極端な言い方をすると、用土は保水と通気性が保てるものなら、「土」や「砂」や市販されている「園芸培養土」といったものでなくてもよいのです。セラミックスでも陶器でも何でも、とにかくごく細かい水の粒子を取り込める細かい穴をたくさん持った多孔質のものなら、超複雑ギザギザ入りのガラス玉でも何でもよいのです。

用土の役割
 なぜなら用土の大切な役割は、まずは用土粒子の中に健全な植物の根を張らせ、その結果地上部の自分の体をしっかりと地上に立たせることにあるのですから。もちろん同時に根は伸長しながら水とその水に溶け込んだ養分(植物は水に溶けた状態でなくては栄養分を吸収することはできません)と、呼吸に必要な空気=酸素を吸って生長し、生命を維持しているのですが、ここでは特にその「水に溶け込んだ養分」という記述に注目してください。

用土に栄養分は含まれる?
 多くの人は用土というものは植物に栄養を与えるものとかたく信じ込んでいますが、この栄養、つまり肥料分は、あとからバランスよく適量ずつ供給し続けてやれば、植物はもともとの用土に栄養分があろうがなかろうが関係ないのです。
 しかしそれでも「用土というものには微量要素を含めて色々な栄養分が含まれているので、これを使うのだ。」と反論する人がいるでしょう。確かにそうです。少なくとも丸1年間は、植物は新しい用土から微量要素を吸い上げ、時に植え土表面に施される固形油カスなどの置き肥や水肥などによって、主要なチッ素・リン酸・カリという三大栄養素を吸収し続けます。しかし厳格な実験データは今のところどこにも見つかりませんが、植物のホルモン剤ともいえる各種の微量要素も、鉢用土では丸1年経たないうちに、すべて吸収し尽くされてしまうといわれています。
 かといって栄養分すべてを2年、3年と持続させようとすると、私たちはとても大きな鉢を使って、その鉢の底近くには、悪い発酵ガスを絶対発生させない完全熟成発酵済みの牛フン、鶏フン、堆肥などを多量に埋め込まなくてはなりません。でもそうすると鉢花は、今度はモンスターのように巨大化したり、暴れまわってしまうかもしれません。
 そこで植物の適切な生育をコントロールするために、肥料分は毎年適期に適量ずつ与えていくのが大原則となるのです。

まとめ
 話がとんだので、用土についての結論を出します。

鉢花を上手に育てるには、用土は病害虫の潜まない新鮮な団粒構造をしっかり維持した用土なら何でも良い
ということです。ただし私たちがわざわざ瀬戸物を細かく砕いて用土作りをするのも何ですから、昔から入手が簡単な、赤玉土や鹿沼土や富士砂、桐生砂、浅間砂、日向砂、エゾ砂、軽石などが使われてきました。そしてこれら一度も使われたことのない新鮮な各種用土は、団粒構造がしっかり保たれており、病害虫の菌や卵が潜伏していないということがとても大切です。

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