植え替えの目的は、何年か経って鉢の土が古くなったので、それを新しい土で植え替える・・・ということではありません。実際には、赤玉土などの用土は、何年かすると細かく崩れてしまうため、それも1つの理由とはなりますが、仮に土が古くなったとしても、その団粒構造がほとんど崩れていないとしたら、用土という点から見ると、鉢は一向に植え替える必要はないのです。
微量要素がなくなったり、用土が大きく酸性に傾いてしまったら、その時は草木灰や木・竹酢液で用土を中性に戻し、再び植物の根がのびのびと伸びる状態に完全ではないものの引き戻すことはできるからです。
●植え替えはなぜ必要?
ではなぜ植物はその根の伸びる力の強弱によって、毎年とか、3年、4年に1回植え替えるのでしょうか?それは根が伸び過ぎてしまったので、その根を思い切り短く切り詰めるためです。
●根を切り詰める理由
ではなぜ根は短く切り詰めなくてはいけないのでしょうか?それは、植物の根というものは、一年草なら何の問題もないのですが、多年草の場合は、植物の葉が炭酸同化作用をするために必要としている水と栄養分とを、ほとんど各根の先端のヒゲ根部分だけで吸収しているからです。
そしてこの吸収する力は、ヒゲ根からピストンのようにズンズンと地上部の葉へとつながっているのではありません。実は葉の蒸散作用と、幹の小さな細胞の連続した浸透圧によって、水は延々とヒゲ根から各葉に吸い上げられていくのです。
そしてかつては根の先端であり生長点でもあり、ヒゲ根もいっぱい発生させたのに、今では水分の吸収などには何の働きもしなくなった古い根は、長々とした「単なるホース」となってしまっているので、このホースが長くなればなるほど、地上部の葉は水と肥料を吸い上げるのに、遠路エライ苦労をしなくてはならなくなるのです。
●植え替えで根も葉も快適!
そこで時に、根は短く切り詰める必要があるのです。幸いにも、植物の強力な自己復元力は、根をスパッと切ると、15〜20日もするとその根の切り口周辺には、全く新しいヒゲ根が多数発生してきます。
しかもこの新しいヒゲ根は今までより一気に幹元に近づいたので、葉の水の吸い上げに使うエネルギーはグンと軽減されることでしょう。もう葉っぱたちは喜びのあまり「緑のそよ風〜♪」なんて鼻歌を歌っているかもしれません。
しかも長い根を全て切り詰めたので、根と根は鉢の中で互いに締め付け合い、重なり合うことから完全に開放されて、さらに新しい用土もそれだけたっぷりと入ることになって、何から何まで言うことはありません。これで通気性の悪さからくる生育不良や根腐れとは、完全に縁が切れました。
これが植え替えの最大の目的と言っても過言ではないでしょう。
※根を切る時はその分比例して、上部茎や葉量を減らす場合もあります。
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