鉢花講座:消毒について 害虫が発生したら home
鉢花講座
5.4 消毒について<害虫が発生したら>
アブラムシ
 鉢花に限らず、すべての植物に最も頻繁に繰り返し発生するのがアブラムシです。また多くの虫の中で、最も退治しやすいのもこのムシです。
 アブラムシには羽のあるもの・ないもの、大きいもの・ごく小さいもの、青色をしたもの、赤や黒や白やあめ色をしたものと、日本だけで1000種はいると言われています。でも心配しないでください。見つけさえすれば、どこでも売っているマラソンやスミチオンなどのごく一般的な殺虫剤でたった一発で完全にノックアウトできます。

見つけ方
 4月から7月まで時々葉の裏をチェックしていると、発生すればごく早い段階で「何か小さい虫がへばりついたり、這い回っている・・・」と発見することができます。

対処法
 一番お手軽なのが園芸店やホームセンターで売っているスプレー式の殺虫剤を使うことです。30cm以上離して、葉の下から株全体をシューッとひと吹きすれば終了。多くの鉢数を同時に消毒するときは、自分で必要量消毒液を作って薬剤散布します。

 薬剤散布後20日もするとまた発生する可能性があるのがアブラムシのアブラムシたる所以です。油断してはいけません。面倒な人にはオルトランやエストック粒剤を鉢の土の上にまいておくという手もあります(用量、散布の間隔等は説明書に詳しく書いてあります)。
 また8〜10月も少量の発生を見ますので、注意しておいてください。

カイガラムシ
 鉢花ではベゴニア類、インパチェンス、ポインセチアなどに時々発生する程度ですが、それ以外、ほとんどの植物にしつこくくらいつき、特に観葉植物には「もう絶対離れないぞ」としがみついてしまうのがカイガラムシです。
 このカイガラムシは、アブラムシに比べると、百倍も千倍もと言いたいぐらい薬には強いので、当然のことながら初期の対応を欠かすことができません。

見つけ方
 カイガラムシも種類は多いのですが、草花や観葉植物につくものは、たいてい葉の表面の葉脈に沿って小さな薄い、白か茶色か赤っぽい、「つぶれたゴマ」のようにくっついている場合が多いので、すぐカイガラムシだとわかります。

対処法
 見つけたら、観葉植物の葉なら、まず濡れティッシュなどで少々爪を立てるようにしてカイガラムシを掻き取ります。そうしないとカイガラムシのカイガラのために薬が効きにくいからです。
 すべてカイガラムシを落としたら(落としたカイガラムシは、もう元の木によじ登ったりはできないので、そのままティッシュに包んで処分)、スミチオンか、できたらスプラサイド乳剤かカルホス乳剤の1000倍液を株全体に散布してください。カラの下に卵や幼虫が残っているからです。
 さらに10日後に、もう一度新しく薬を作り直して(前回の残りは決して使いません)散布すると、ほぼ100%カイガラムシは退治できます。

 また発生数が少ない場合は、見つけるたびにしつこくカイガラムシを爪で取り、濡れティッシュで葉をきれいに拭っていると、薬剤を使わず根絶することも可能です。
 愛情の深い人は、アブラムシやカイガラムシがいなくても、時々観葉植物の葉を濡れティッシュで拭いて、いつもホコリのないつやつやの緑を楽しんでいます。またこうすることでカイガラムシも発生のしようがなくなります。

ハダニ
 鉢花を育てていると、ある頃から何となく葉っぱの緑が薄く感じる・・・ということがよくあります。これはたいてい小さな目立たないハダニが、葉に口先を刺し込んで、葉緑素もろとも美味しい葉のジュースをチューチュー吸っているからです。

見つけ方
 アブラムシと同じで、日ごろから葉をよく観察していると、白や薄黄や赤や茶色っぽいごく小さな虫 = ダニが、結構早足で葉の上を走り回っているのを発見することができます。

対処法
 見つけたらすぐにアブラムシ用スプレーをシューッと吹きかけてください。これでOKです。
 でもできたら殺ダニ剤といって、このハダニ専門のスプレーが市販されているので、これを使用するとさらに効果は徹底します。
 あるいは水やりのたびごとに、やや強めに葉に水をかけていると、「乾燥にはめっぽう強いが夕立は大の苦手」というハダニは、どこかへ逃げ出してしまうこともあります。ですが、現実的には鉢の土がびしょびしょ跳ねたりするので、水やりだけでハダニを退治するのは難しい・・・時間がかかりすぎてしまうでしょう。

 春から秋にかけて生長し、花を楽しむ鉢花は、ハダニに気をつけてください。秋から冬に花を楽しむ鉢花は、ほとんどハダニの心配はありません。でもクリスマスローズなどの多年草は、夏に葉がハダニですっかり脱色されてしまうという深刻な事態もありえますので、油断は大敵です。

ヨトウムシ
 家庭菜園を楽しむ人の天敵といわれるのがこのヨトウムシです。この何種類かのヨトウムシは、寄ってたかって大切なキャベツ・ハクサイ・ダイコンの葉を、どうせ食うなら跡形なくすべて食ってくれたらいいものを、かたくてまずい(らしい)葉脈だけは、実に汚らしく食い残して、日本中の菜園家を春に秋に確実にがっかりさせている、とても悪い夜行性の害虫です。
 でも鉢花栽培家でしたら、まさかこのヨトウムシのために、自分の育てているアゲラタムを、キンギョソウを、スターチスを、ゼラニュームを、プリムラを、畑でボロボロにされたキャベツやハクサイのようになるまで放置しておく人はいないのではないでしょうか・・・?

見つけ方
 鉢花の葉が丸く食べ抜かれていたり、端がかじりとられていたら、それはまずヨトウムシの夜の仕業に間違いないでしょう。

対処法
 徹底的にピンセットでつまみ取ってください。根元や地面にサッと落ちて隠れますので、何匹いるかわかりませんがしつこく追いかけます。
 岡引(おかっぴき)は夜盗を足で追いかけ、園芸家は夜盗をピンセットで追いかけるのです!
 あるいはオルトラン粒剤を鉢に散布しておいてもよいでしょう。でも食用も兼ねるハーブ類でしたらオルトランや、葉にかける薬も使用できません。
 ピンセットのない人は素手か竹のさい箸で御用だッ!

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