春一番が待ち遠しくなるピンクのシルクストール。これはサザンカの花びらで染めたもの。きれいな花の色を残しておけるなんて素敵でしょ?ここでは花の色を取り出すちょっとした仕掛けをお教えします。
※この手法は濃い赤や紫の花が対象です。
●用意するもの(染める物約20gに対して)
・ サザンカの花びら 50g以上
(両手のひらいっぱい分)
※量が多いほど濃く染まります。
・ シルクのストール (約20g)
※染料店で購入できます。
・ ポリバケツ(よく洗ったものを) 1つ
・ 食用酢 500cc
・ さいばし
・ 網袋(不織布タイプの三角コーナーネット、ストッキングなど) 2つ
・ 輪ゴム
・ ゴム手袋
●花びらの採集
・ なるべく濃い花を選び、たくさん集めましょう。
花びらの量が多いほど濃く染まります。
・ 少々傷んだものでも落花したものでもOK。
ただし茶色く変色した物は避けましょう。 |
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・ 採集してすぐに染めない場合や、つぎつぎに咲く花は冷凍で保存し、集まったら染めましょう。
保存は「乾燥」より「冷凍」の方がよいでしょう。
●染め方
1. 花びらの色を抽出する。
<手で>
(1)採集したサザンカの花びらをネットに入れ、輪ゴムで口を縛る。
ネットは2重にして充分な強度を確保します。
(2)ボウルにネットに入ったサザンカの花びらを入れ、食用酢を入れる。
(3)花びらがどろどろになるまで指先ですりつぶし(汚れた雑巾をもみ洗いする要領)、色素を出す。
<ミキサーを使って>
花びらを手でもむという作業は意外に面倒。ミキサーを使うとあっという間に花びらを細かくできます。
(1)花びら、食用酢に40℃位のぬるま湯を足してミキサーにかける。
中身が膨張して吹き出すことがあるので、3回ぐらいに分けましょう。
(2)ボウルにネットを広げ1の液を入れ輪ゴムで口を縛る。泡は気にしなくてよい。
(3)さらに手で揉み、色素をよく溶け出させる。
2. ストールをぬるま湯に浸して軽くしぼり、花びらの色素を抽出した液の中に広げながら入れる。
3. 時々かき混ぜながら、1時間程度放置する。
4. 洗液が透明になるまでぬるま湯でストールを洗ったら、軽くしぼって風通しのよい日陰で干す。
●花びら染めについて
食用酢など酸性水の中で花びらの色素を取り出す方法を「酸性抽出」といいます。今回はどこの家庭にもある「食用酢」を使いましたが、酸の濃度が高い「酢酸」の方がよいでしょう。酢酸は染料店、薬局、カメラ材料店などで購入できます。濃度が高いと必要量が少なくてすむため、効率よく安上がりにできます。今回、濃度4.2%の食用酢を500cc使いました。これを濃度100%の酢酸に換算すると、500cc×4.2%→約20cc分の酢酸です。濃度50%の酢酸を使用する場合はその倍の40cc・・・わずかこれだけですむのです。
この酸性抽出で染まる花には「アントシアニン」という色素(目によい、といわれているもの)が含まれています。この色素は「熱に弱い」「酸性水の中だと取り出しやすく安定しやすい」という特徴があります。今回の「花びら染め」はつまり、植物に含まれる赤い色素(アントシアニン)を酸性抽出する、という方法なのです。花びらに限らずアントシアニンを多く含む植物(例えばブルーベリー、赤キャベツなど)に応用できます。
●酸性抽出に適した植物
・ 濃い赤や紫の花びら
※黄色の花は煮て染めると色素が定着するので、煮て染めた方がよいでしょう。
・ ブルーベリーや木いちごなど熟すと濃い色になる果実
・ 赤カブやシソなどの野菜
・ ポインセチアやブーゲンビレアなどの植物の赤い部分
●花びら染めに適した素材
シルクまたはナイロン
低温染色でも色素の吸収がよいこと、素材自体に艶があるので淡い色でも映えること、軽いので使用する花びらの量が少なくてすむこと、がその理由です。
※コットンは色が流れ落ちてしまいます。
●注意する点
花びら染めは火も使わず簡単に染まる分褪色しやすいので、以下の点に気をつけましょう。
・ 日光に弱い 日なたに置くものを染めるのはさける。
・ 高温に弱い アイロンは中温で当て布
・ 酸性である アルカリ石鹸は使わず中性洗剤を使う。汗にも弱い。
<参考図書>
「花びら染め」(誠文堂新光社刊/箕輪直子著)
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