草花染め講座:タンポポの染め比べ〜色見本を作ろう〜 home
草花染め講座 監修:箕輪直子
7. タンポポの染め比べ〜色見本を作ろう〜
 今回は身近な春の花「タンポポ」を使って染め比べをしてみます。草花染めの練習を兼ねて、重宝するカラーサンプルを作ってみましょう。
 タンポポの部位(3ヶ所)×染める素材(4種類)×媒染剤(2種類)の組み合わせで24通りのカラーサンプルの出来上がり!


今回使用したタンポポティ
自然食品店などで手に入ります
用意するもの
・ セイヨウタンポポ
 花、茎と葉、根(それぞれ染める糸と同量以上)
※今回は根の代わりに市販のタンポポティ(乾燥させた根)を使用
※タンポポは日が昇ってから花が開くので、採集するのは晴れた昼間が最適
※採集した花は時間が経つとしおれるので、染めるその日に採集すると良い

・ 染める物
 生成りのウール、シルク、コットンの糸の束を各6セット
※コットンは染まりにくいので、濃染剤(または豆乳や牛乳)に浸して下処理したものを更に6セット用意

・ 媒染剤
 みょうばん(アルミナ)、鉄

セイヨウタンポポの話
 セイヨウタンポポが日本にやってきたのは明治時代、サラダ用に輸入されたのが始まりと言われています。
 都市環境に強く、人間が手を加えた場所に多く見られます。セイヨウタンポポが都市部で勢力を拡大する一方で、日本の在来種(カントウ・カンサイタンポポなど)は年々少なくなっています。これは在来種が一年に1回しか花を咲かせないのに対し、セイヨウタンポポは一年に数回花を咲かせるから。圧倒的に繁殖力が違うのです。という訳で、草花染めの材料には貴重な在来種ではなく、セイヨウタンポポを使いましょう。

<見分け方>
 花を下から見てみましょう。花びらの下の「がく」に当たる部分(タンポポでは「総包(そうほう)」と呼びます)が閉じているのが在来種、開いているのがセイヨウタンポポです。


左からウール、シルク、
コットン(さらし)、コットン(濃染処理済み)
下準備
・ ウール、シルク、コットン(さらし)、コットン(濃染処理済み)の4種類の糸を一括りにする。(計6セット)
・ 花はがくごと取って軽く洗う。
・ 茎と葉は、はさみで細かく刻む。

染め方
1. 各部位ごとに煮出す。ぐつぐつ沸騰してから10分位煮込む。
2. 煮出した1の液の中に、一括りにした糸を2セット入れて煮込む。
3. 「みょうばん」と「鉄」の媒染液を作り、それぞれに浸して色を定着させる。
 ※詳しくは草花染め講座第4回を参照してください。

左からウール、シルク、コットン(さらし)、コットン(濃染処理済み)
  アルミナ(みょうばん)媒染 鉄媒染

ポイント
・ サンプルを見て分かるように、花のイメージの春らしい黄色に染まるのは花だけを使った場合です。根はあまり染まりません。
・ アルミナ媒染(みょうばん)は明るい色に、鉄媒染は渋く染まります。
・ コットンを染めるには濃染剤がとても効果的。濃染剤は染料店で購入できます。
・ タンポポに限らず、どんな植物もそれぞれの染まる色を持っています。色んな植物で試してみるのも面白いでしょう。
・ カラーサンプルをバインダーにきれいに収めておくと、サンプルが増えるだけでも楽しくなります。サンプルだけをわざわざ作る必要はないけれど、例えばこんな時に作っておきましょう。

  1. Tシャツやハンカチを染めても、お友達にあげてしまう機会も多いはず。あげてしまうと手元に残らないから、事前にサンプル用のちいさな糸のかせを用意しておいて、Tシャツを染める時も一緒に糸を入れる。
  2. 何か染めるほどの量はない草花や、大きなものを染めている時間はないけど、今度機会があったら染めてみたいと思っている草花などをサンプルに残す。
  3. アルミナ媒染で黄色く染める場合でも、糸のサンプルだけは2束入れて、一つは鉄の媒染をかける。

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