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第9回
桜のはなし
2. 桜・サクラ(Prunus SPP)とは
 実はサクラと呼ばれる木そのものはないのです。現在300品種を越えているといわれるサクラですが、サクラというと、つまりこれら全ての品種のことをまとめて言っているわけで、個別には必ずヤマザクラとかオオシマザクラとか、それぞれ特定の名で呼ばなくてはなりません。

園芸上の分類と特性
 バラ科サクラ属サクラ亜属に属す多くのサクラは、園芸上では「花木。落葉性の高木または低木」となります。
 原産地は北半球の温帯、暖帯に広く分布し、なかでも花が美しい品種となると、日本、朝鮮、中国(台湾)、ヒマラヤ地方に生育しているといわれています。
 特性としては「陽光を好む」「剪定・病害虫・公害に弱い」があげられます。特に剪定に弱いという点では、かなり古くから「サクラ切るばか、ウメ切らぬばか」という有名な諺(?)があるくらいです。しかし確かにこの傾向はありますが、剪定に弱いのはほとんどが改良品種であるからで、それも美しい花を見ようと「接ぎ木」によって育てられた木は、同じ品種でも「挿し木」によって育てられた木よりも、数段弱くなってしまうようです。

 反面日本在来の野生種のサクラの名誉のためにも言っておきますが、彼らはそんなに やわ ではありません。少なくとも太枝を切ると「灼(や)け」が入りやすいといわれているサルスベリやザクロ…これらの木よりはむしろ灼けは入りにくいといってもよいでしょう。さらにサクラの習性を知り、その培養法をしっかり心得ている盆栽師でしたら、太枝を切ったからといって、みすみす灼けを入れたりしません。切り口を殺菌剤入りの粘土状の保護剤で覆い、乾かさないように数年管理すれば、あとは大丈夫なのです。
 怖いのは畑や山などから掘ってきたサクラの太枝を切る時です。いわゆるこの「地堀りもの」のサクラは、確かに灼けが入りやすいのです。従って盆栽師は、4〜5年そのサクラを鉢で「肥培管理」して、十二分に体力をつけたところでバサリとやるのです。
 「サクラ切るばか…」にとらわれていては、この世にサクラの盆栽が存在しないことになってしまいます。それに日本各地には樹齢500年、700年、果ては千年以上といわれるサクラ(神代ザクラ)の老古木が、何本もあります。サクラは世間でいわれているよりも、はるかに強いのです!

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