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第16回
ウメ栽培の基本知識
1.はじめに
「枝垂れ梅開花」
 ウメはバラ科サクラ属の落葉高木です。各種の文献によりますと、古いところでは紀元前14〜12世紀の中国殷の遺跡から、ウメの実(核)が発掘されておりますが、日本では紀元前8世紀の縄文草創期は無論のこと、紀元前3世紀以降の縄文晩期になっても、ウメは全く出土いたしておりません。近年めざましい成果を上げている花粉考古学の分野でも、現在のところ縄文時代での花粉化石の発見は、多分発表されていないのではないでしょうか。今回もざっとウメのことを調べてみたのですが、ウメの記述は私たちが手軽に目にすることのできる文献では、卑弥呼が登場する紀元200年代を通り越して、ようやく751年の『懐風藻』が初めてということです。そしてそれより少し早く成立した『古事記・日本書紀』には、ウメどころの騒ぎではなかったのかも知れませんが、ウメについての記述は一切見られません。私も読んで見ましたが、アシやイネのことは度々述べられておりますが、確かにウメはありませんでした。

「白梅の流木づけ」
 ただし懐風藻より早くからの歌が収録されて、紀元700年代中ごろに誕生したという『万葉集』には、いきなりウメはトップのハギ(141首)に次いで118首もが登場しております(数えた人によって各植物数は多少の増減があるそうですが)。そのために、ウメは早くて700年に入った頃早々に、遣唐使かその帰りの舟に同乗した中国使・僧らによって、日本に渡来移入せられたと推測するのが、目下の所は最も自然な結論になると思います。

 以上ウメの出自がほぼ明らかになったところで、いよいよこのウメの正しい育て方について述べさせていただきます。

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