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第16回
ウメの盆栽仕立てのポイント
 ウメは古来より「歳寒の三友」として、松・竹(ときに水仙)とともにしばしば画材とされてきました。同時に鎌倉時代には今の栃木県内の片田舎のかなり貧しい武士(鎌倉幕府の御家人)が、梅・松・桜などの樹木を今の盆栽と同じく、とても大切に鉢栽培していた様子が、その名もずばりの「鉢の木」という謡曲にも謡われておりますので、奈良時代は多分貴族階級の庭植えでブームをひきおこしたウメが、鎌倉時代には既に武士階級の(現在定着中のご隠居の道楽ではなくて、禅宗の精神性に通じた崇高な)たしなみとなっていたことが推察されるのです。

 かくのごとく、ウメは早くも鎌倉時代には鉢栽培されていたわけですが、当然それは実の収穫が第一義ではなく、早春にいち早くその花がほころびるところ、その香りが居室や庭に漂うところを本義といたしたものでありましょう。さらには佐野源左衛門さんは(田舎の貧しい武士のお名前です)、「やっぱり桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿だな。花のあとで枝を切り詰めしといたので、ほれ、わしの梅、結構枝が短くて花芽を持ったわい」なぞと、今でもウメ栽培の要点の一つである「梅の短枝開花法」を自画自賛いたしていたのかも知れません。ウメの鉢栽培では、昔も今も実はこの「いかに短い枝、細く分岐した短枝上に蕾を持たせ、花を咲かせるか」が、梅盆栽栽培家にとっての「最大にして永遠の目的」の内の一つであったからです。同じ鉢に咲く梅でも、誰もが太くズーンと伸びた枝に花が咲いているより、先が細くスッとすぼまった短い枝に花が咲いている方が「可愛くて、自然ぽくて、美しい」と思うに違いありません。

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