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第七回 クローブ



Clove クローブ
和名 丁子(ちょうじ)
ラテン語名 eugenia caryophlata

 フトモモ科の喬木。
 原産地はアジアのモルッカ諸島とされている。
 紀元前4世紀にすでにアリストテレスがクローブの蒸留法を記述しており、古くからこの植物の薬効が知られていた。

 わが国でも正倉院の御物にあり、源氏物語にも丁子の記述があり、昔から香料、黄色の染料、生薬、防腐剤などとして使用された。
防錆効果も強く日本刀の手入れ、またその殺菌、鎮痛作用で歯科の治療に使われる。

 16世紀にはポルトガルがモルッカ諸島のクローブを独占したが、イギリスとオランダが、巨万の富を生むスパイス(クローブやナツメッグ)交易を巡り熾烈な争いをした。
 これが新航路発見のきっかけとなったスパイス戦争で、この辺の事情は "Nathaniel's Nutmeg" by Giles Milton に詳しいのでご一読をお勧めします。(最近邦訳され朝日新聞社から「スパイス戦争」として出版されている。)

 現在のクローブの主生産地はインドネシアとアフリカの東、マダガスカル島などの西インド洋の島々。

 この植物から2種類の精油を抽出する。  

 蕾(つぼみ)を水蒸気蒸留して
 クローブバットオイル(clove bud oil)
開花する前の蕾の形が釘に似ているのでこの名がある。
精油の品質はこれが一番よく、主香気成分はオイゲノールEugenol
スパイシーな香りと甘い匂いが心地好い。
カーネーションの香りを作る際の必須の原料で、永遠の名香ニナ・リッチのレール・デュタン(L'air du Temps)にも使われている。

 葉を水蒸気蒸留して
 クローブリーフオイル(clove leaves oil)
荒い感じの精油でこのまま高級香水などに使われることはなく、上記のオイゲノールをクローブリーフオイルから抽出する原料となることが多い。また、バニラの香りのする合成香料バニリンのスターティングマテリアル(出発原料)として重要である。

 クローブは肉料理などのスパイスとして古くからヨーロッパでは親しまれている。その効用は多岐にわたり、中世には疫病特にペストに効果があるとされたり、この香りが性的感覚を増幅するなどと信じられていた。



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