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第八回 チュベローズ



チュベローズ
和名 ゲッカコウ(月下香)
ラテン語名 polyanthes tuberosa L.

 原産地は中央アメリカ。
 水仙などと同じアマリリス科(Amarylliaceae)に属し(*)、高さ70〜80cmの細長い茎の先端に直径2〜3cmの白い花が咲く。Tuberoseと英文では表記するがrose(バラ)とは全く関係がない。開花期は6月後半から10月までと長い。月夜に芳香を放つとされているので月下香の名がある。主生産地はモロッコ、エジプト、インドなどで、南フランスでは殆どなくなってしまった。
 花を処理して香料にする。

* 現在はリュウゼツラン科に分類される




  <アンフロラージュ法>
熱を使わない、昔から行われていた香料の採取法で、周囲を窓のように木の枠で囲んだ板ガラス(シャシーと呼ぶ)に牛脂と豚脂を混ぜたものを1センチ程の厚さに塗りその上に咲き始めのチュベローズの花を手で並べシャシーを何段にも積み重ね、油脂に花の香りを染み込ませる。2日後に花を新しいものに取り替え、油脂がたっぷりと花精油を吸い込んだのをポマードと呼ぶ。それをエタノール(アルコール)で処理しアブソリュートにする方法。チュベローズアブソリュートフロムポマード(Tuberose Absolute from pommade)とよばれる。採油率は良いが手間がかかり人件費の高騰で現在はほとんど行われていない。香調は非常に甘く、調香師がファッティ(Fatty)という、脂肪臭が残る。  



<溶剤抽出法>
花を溶剤(ヘキサン)に浸し花精油分を抽出してコンクリートにし、それをエタノール処理しアブソリュートにする方法。甘く優雅で美しい香りの精油であるが、非常に高価なため合成香料で代用されることが多く、残念ながら近い将来消え去る運命にある天然香料であろう。

 アメリカ市場で好まれるホワイトフローラル(白い花の香りのイメージ)にはジャスミンと共に欠かせない香りである。

 開花した花の香りは香料のチュベローズアブソリュートより、軽やかで“コク”があり妖艶でセクシーに感じる。




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