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花いっぱいレポート

地に燃ゆる天上の花 曼珠沙華に染まる巾着田

2003年9月27日 埼玉県日高市 巾着田 レポーター:Rosemary Blueさん
 爽やかな秋の風が吹く頃、一度は訪れてみたいと思っていた場所・・・ついにそこに辿りつくことができました。埼玉県日高市を流れる高麗川がひときわ美しいカーブを描く処に位置する巾着田では、地を燃やし尽くすほど鮮やかな赤の曼珠沙華が現在見ごろを迎えています。観光ガイドなどで多々紹介されているこの場所ですが、実際に目の前で見た迫力、その妖艶なまでの美しさは言葉にし難いほどの光景です。


橋のたもと付近からの眺め
木々の間から望む高麗川と巾着田は秋の光に輝いています
時は晴天。徒歩で数分の距離に車を停め、あいあい橋という散策のために設けられた橋のたもとのほうから巾着田に入りました。このたもと付近の歩道からの眺めがまず圧巻。高麗川の輝く水面の際を縫うように広がる巾着田に、曼珠沙華の花たちが赤い光を転々と灯しているように咲いています。
この橋をゆっくりと進んでいくと、だんだんと花の姿がはっきりと現われてきて、眼下を染め抜くような鮮やかさを放っているのが感じられます。


中央に見えるのがあいあい橋
燃え立つような赤の花を眼下に眺めることができる
見晴台のようです
橋を渡り終え、いよいよ曼珠沙華の大群落に足を踏み入れます。


ニセアカシアの足元を燃やさんばかりに咲き乱れる
曼珠沙華。壮観です
立ち並ぶニセアカシヤの木々の下、みずみずしい緑の茎に鮮やかな赤を挿す花・・・その間を縫うように設けられた散策路を歩けば、足元まで迫る炎のような赤に圧倒されんばかり。


光と影の共存。そんな眺めが豊かな木立に包まれた巾着田の魅力の一つです
鬱蒼と茂る木々の隙間から射しこむ陽の光に照らされれば、この世から少し離れた異世界に迷い込んでしまったのでは・・・と思わせるほどに幻想的です。


鬱蒼とした木々の中に射しこむ光・・・そこに浮かび上がる曼珠沙華の花姿は妖しいまでの美しさです
とはいえ、ひとつひとつの花たちは、微かな風にも花びらを震わせるほど繊細。
憂いを秘めた女性のようなしっとりとした立ち姿に目を奪われてしまいます。


水と緑に囲まれた河原沿い、
よりいっそう赤の花色が鮮やかに映えます
2キロ近くにも及ぶ散策路・・・果てしなく続くように思える奇跡の幻のような景色。高麗川の水のせせらぎの音が心地よく響き、一帯は秋の織り成す自然の恵みで満たされています。
河原を吹き抜ける風は心地よく、秋晴れの空の下、お弁当を広げて楽しむ家族連れなども多数見かけられ、息を呑むほどの花景色の中に、ほのぼのとした安らぎも併せて感じられます。


曼珠沙華の赤は、眩しい陽射しの下でも美しい存在感をもって訪れる人の目を釘付けにします
曼珠沙華とは「天上の花」という意味を持つそうですが、頭上の光を見つめるように真っ直ぐと背を伸ばす姿は、足元に見つめる私よりもはるかに大きく、力強い存在のような印象さえ受けました。
またの名を「ヒガンバナ」と呼ばれるとおり、お彼岸の墓地に根付くことからあまり縁起の良い花でないと敬遠されているきらいもありますが、この処を訪れ、その姿、大群落に出会ったなら、誰もがこの花の魅力に心打たれ愛すべき花の一つとなることでしょう。


河原沿いと花のエリアを繋ぐ散策路はあちこちに設けられており、燃える花色と澄んだせせらぎをかわるがわる楽しめます
せせらぎの音を聞きながら、果てしなく広がる赤に酔う・・・巾着田の秋は、忘れがたい花景色を私の記憶に刻んでくれました。

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