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花いっぱいレポート

晩秋のいろどりに染まる神代植物公園

2004年11月21日 東京都調布市 神代植物公園 レポーター:Rosemary Blueさん
 今年は例年になく暖かい11月、太陽の輝く日中は上着が邪魔になってしまうほど。ですが確実に秋は深まり、花の暦が移り変わり、そこかしこの木々の葉も赤や黄金に着替え始めています。今日は、そんな晩秋のいろどりで美しく染め上げられる東京都・神代植物公園の風景を、ご紹介します。

◇◇◇


秋のバラはどことなくしっとりとした
深みのあるいろどりです。
神代植物公園と言えば、お花見ファンならずとも、バラの美しさでその名を耳にしたことがあるかもしれません。
秋バラの見頃は10月下旬、もうあまり花を見ることはできないかな・・・そんな気持ちでバラ園に一歩足を踏み入れた時、評判を大きく超える驚きに私は息を呑みました。


やわらかな陽射しに浮かび上がるバラ「夕霧」。
色も表情も実に様々なバラの花たち―――それは、深くつややかな緑の葉の上にちりばめられた虹色の星の輝き。
11月半ばを過ぎた今もなお、柔らかな花びらを広げ、独特の甘く気品ある香りを放ちます。


噴水の輝きがバラの美しさを際立たせます。
きらめく光に浮かび上がる噴水の雫の輝きや、豊かに色づく木々たちと描く風景美は、どんな言葉を用いても表現できそうにありません。
このバラ園は、忘れがたい屈指の名園です。


時を止めた静けさの森は
木洩れ日の幻想に満たされます。
バラ園を抜けると、10メートルはゆうに越える木々がそびえ立つ、静かな森が広がります。
天から降り注ぐ光が織り成す木洩れ日の美しさと、澄み渡る空気は格別です。
静かな風が微かに揺らす木の葉の音―――そのほかには何も耳に入りません。


頭上染める楓の紅に、物言う術は失われます。
森を抜けた先、「かえで園」と名づけられる一角は、まさに最高のいろどりに満ちあふれていました。


かえで園は、晩秋の色彩美の宴。
やわらかな緑がゆっくりと金色に、そして燃えるような紅に移り変わる瞬間・・・そのあるがまま揺らめく色彩のグラデーションに頭から包まれて、私はいま自分がどこに立っているのか分からなくなるほどの心地でした。


咲きそろうサザンカにいろどられた園は
幻想の空間。
そして晩秋の代表とも言える、花染めの木々に抱かれた「つばき・さざんか園」へ。
11月から12月にかけて次々と花をつけるサザンカの森が、腕を広げて出迎えてくれるような華やかさです。


宝石のようなサザンカの花色は
心酔わせるほどのつややかさです。
数ある花の公園でも、サザンカは散策路などの修景として、垣や植え込みに用いられることが多いようですが、ここでは何にも押されぬ主人公。
その枝はこぼれるばかりの花々に染め抜かれ、また散り落ちた花びらが足を踏み込むのもためらわせるほど。
天も地も、サザンカのいろどりに満たされた園の真ん中で、私は自分の身体まで花色に溶けてしまいそうな思いがしました。


早咲きの椿も見られます。
この先の季節の灯です。
吉祥寺という都会の賑わいにあふれる街区から、バスで20分ほどの場所に、これほどゆったりと自然に触れ合え、季節の花々に恵まれた公園が存在することは本当に驚きです。
これからの季節はさらに紅葉の色づきも深まり、冷たい北風に明かりを灯すサザンカや椿の花が咲き乱れることでしょう。
神代植物公園は、季節を変えて何度でも訪れたくなる都会の中の別天地です。

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