● ヤマグワ
(クワ科クワ属)
● 花期 4〜5月
● 果期 6〜7月
● 植生
日本全土の低山林緑、畑わきなど
昔、日本で養蚕が盛んな頃には、毎年毎年刈り取られるクワの畑の一角や、農家の庭先や庭裏、それに林のヘリなどに、枝を切られない桑の株がよくありました。それらは年を経るに従って毎年たわわにクワの実をつけるようになり、子供達は喜んでこの熟した実を食べたそうです。
ただしこの実は甘くてとてもおいしいのですが、とにかく果汁がものすごく、どうしても口から汁がたれ、それが衣類につくと、もう落ちません。上品に一粒ずつ食べれば別ですが、たいていの子供はガブリとやるので、よく母親に「またお前は・・・」と叱られたことでしょう。私も畑や林でこの桑を見つけては食べましたが、人口甘味料とは全く違った風味豊かな甘さとジューシーさです。2〜3房食べるともう唇も歯もまっ黒に染まり、うれしさのあまりニターと笑うと、それ見て仲間がゲラゲラ笑い、それを見て私もまたゲラゲラ笑うといったなんとも精神衛生にもよい木の実です。実は熟すとつぶれやすいので、それが指について指までが黒紫色に染まります。
クワには日本原産のものと中国から古く渡来したものとがあると言われています。さらに実がたわわになるクワを老桑と呼ぶ土地もありますが、どれも同じく安心して食べられます。初夏に地方を旅することがありましたら、どうかこのクワの実を捜してみてください。
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