● タンポポ
(キク科タンポポ属の多年草)
現在日本には、日本在来のカントウタンポポ、カンサイタンポポ、トウカイタンポポ(ヒロハタンポポ)、温暖地に多いシロバナタンポポ、寒冷地に多いエゾタンポポと、帰化植物であるセイヨウタンポポ、アカミタンポポなどが生育しています。
そしてこれらはすべて同じ要領で食べることができるのです。また、これ以外に高山性のタカネタンポポ、クモマタンポポ、ミヤマタンポポ、シロウマタンポポや、コウリンタンポポなどの園芸品種もありますが、これらは特に味がよいとも思われず、それ以上に希少種でもあるために、採取・採食は厳につつしみましょう。
● 食べる部位
全草(葉も茎も花も根も全部、ということです)
● 採取時期
温暖地では一年中。
無雪降霜地では、冬は葉がしなびたり、なくなっているため、見つけたら根を。
積雪地は、春の若い根生葉(ロゼット)から雪の降り始めまで。
● 食べ方
春先の若菜は、よく洗ってサラダの上にロゼット状に乗せ、この若葉でサラダを包むように食べると、ほんのり苦味が加わっておいしいだけではなく、スマートな食べ方になります。ヨーロッパのレストランで、これを食べさせられ、ひどく怒った日本人がいたとか。
夏を過ぎ、秋ともなるとタンポポの葉は苦味を増します。ドレッシングのついた生ハムをはさんで食べると、この苦味がまた格別。また葉と花をタマネギ・スイートコーンなどと油炒めにすると、苦味はなくなります。
根はためしに小指の1/3量を食べたことがありますが、無害。苦味は口の中に30分ほど残ったものの、大騒ぎするほどではありません。シラガネギ状にすれば、サラダに乗せても面白いでしょう。
日本からゴボウがなくなったとしても、タンポポの根はノアザミの根とともに、充分にキンピラに使えます。問題はゴボウのように大量生産ができていないため、たちまち採りつくされてしまう恐れがあることでしょうか。タンポポやアザミのためにも、ゴボウには頑張ってもらわないと…。
有名なタンポポコーヒーについても、コーヒー豆が日本に入らなくなることはまず無いとして、その野趣に富んだコーヒーの作り方をお教えしましょう。
掘り取った根はよく洗い、小豆大にぶつ切りに刻んで、夏なら半日、冬なら丸一日天日干しにします。それをこんがりと煎ってください。このこんがりと煎るのが結構難しくて、火が強すぎたり、鍋を動かす手をちょっとさぼったりすると、たちまち真黒に焦げてしまいます。煎るための器は、油っ気の残っているフライパンは避けてください。タンポポコーヒーに変な味と香りが混ざってしまいます。油っ気のないホーロー鍋か、一番良いのは小さな鉄あみのフタがついた鉄製のゴマ煎り器です。
こんがり煎りあがったら、小さじ一杯のタンポポコーヒーをコップに入れて、熱湯を注ぎます。2〜3分するとこんがりタンポポ風味の独特な香りがたってきます。
飲むとほんのり甘く、そして苦く、まさにアウトドアー派には、「たまにはいいかな…」と容認されうる野趣あふれた飲み物です。
濃い味が好きだからと熱湯で煮つめると、香りが薄くなってしまいます。
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