● ゼンマイ
(ゼンマイ科ゼンマイ属の緑夏性のシダ)
日本全土の山地斜面に群生、もしくは散在する、かつては山里の生活には欠かせないとされた貴重な山菜がこのゼンマイです。その理由は長持ちのしない他の多くの山菜の中で、このゼンマイはゆで上げて乾燥することで、唯一長期の保存が可能となった植物だったからでしょう。雪国の人々は、大事に大事にゼンマイを守り続けてきました。
でもこのゼンマイも、現在は採取する人が多く、なかなか楽には集めることができません。そして集めたとしてもそれを上手に干しゼンマイとするのは、かなり熱意と技術と天候にめぐまれることが必要なのです。いいかげんな覚悟で貴重なゼンマイを台無しにする位なら干し上がった製品を買う方がゼンマイ・・・いえセンバイも賢いかも知れません。でもどうしても挑戦したい人のために、ざっと干しゼンマイの作り方を述べてみます。
<干しゼンマイの作り方>
1. オトコゼンマイ(太っちょの胞子葉)は作る途中でバラバラにくだけてしまうので採らず、オンナゼンマイ(指ではさむとスリムな栄養葉)だけを、指でポキッと折れる所で折り取る。
2. 長方形のホーロー容器などにゼンマイを揃べて、そこに灰汁の熱湯をヒタヒタにかけておとしぶたの上に軽く重石を置いて一晩おく。あるいは重曹入りの熱湯で数分間ゆでてザルに取り、水で洗わず(洗う人もいる)、手でつかめる温度になるまで待つ。
3. 一本ずつゼンマイのクルクル巻いた部分についた綿毛をこすぎ落とし、すぐに適量まとめて両手で丹念に丸め込む。これを何回も行うことになるが、最初は力を入れすぎないようにやさしくやさしく丸め込む。
4. これを通気性のよいゴザに広げて天日でガンガン干す。そして2〜3時間ごとに両手でびんびん強く丸め込んではまた干す。天気が悪いとどうしようもない。そのときは電気コタツか扇風機だが、実に悲しい心境になる。
5. 晴天で2日間丸めては干せばもうカビは生えない立派な干しゼンマイの完成。
灰汁でアク抜きしたゼンマイも、同じ手順でもんではよく干す。
※もんでいる時、茎元が硬くて丸まらないのが出るが、その部分は鋏で切り取る。そのまま残すと、あとの料理の時に硬いまま残ってしまう。
● 食べる部位
手で折り取れる若茎
● 採取時期
4〜6月
● 食べ方
干しゼンマイはぬるま湯で一晩もどすか、急ぐ時はぬるま湯でもみほぐしてから使う。肉や油揚げとの煮つけが一般的。雪国では塩気の効いた干魚との取り合わせもあった。仲間のヤマドリゼンマイも同じ要領で食べられる。
|