● ヤマノイモ
(ヤマイモ科ヤマイモ属のつる性多年草)
ヤマノイモは、サトイモに対してヤマに産するので付けられた名前です。ジネンジョ(自然薯)ともいわれ、純粋な日本原産種でもあります。古くから人気の山の幸(以前はごく都会に近い丘陵地や海に近い平地にもよくありました)で、なんとか太く長いイモを掘り当てようと、半日ぶつぶつつぶやきながら掘る人がいたため、「ヤマイモ掘りの独り言」という言葉も残っています。
イモの成長の仕方を簡単に説明しましょう。春に親イモの上部についた一番優勢な不定芽が伸び始めると(複数のこともある)、その芽の下に新しいイモ(子イモ)が成長をはじめます。その子イモはなんと親イモの栄養分を情け容赦なく吸い取って、秋には親より一段と発達したヤマノイモへと成長するのです。可哀相な親イモは、子イモの成長過程で哀れにもスポッと消滅してしまいます。別にこれはヤマノイモにとっては哀れでも何でもありませんが、このようにして最低3年は経ったイモが掘り出されているのです。またその2倍も3倍も年を重ねたヤマノイモを夢見て、掘り師はあちこちに大穴を開け続けているのです。その穴に足をとられて毎年何人かの人々が時に大怪我をしているそうなので、自分で開けた穴は、自分で埋め戻しましょう!かくいう筆者の妻も一度落っこちたことがあります。
● 食べる部位
秋のイモとつるについたムカゴ
● 採取時期
9〜11月(花期7〜8月。雌雄異株)
● 食べ方
イモ部分は焼く、蒸す、揚げるとサツマイモやジャガイモと同じ食べ方ができるが、何といってもとろろ汁や山かけが一番。酢の物もいける。とろろ汁はいかにきめ細かくすり下ろし、うまいダシ汁と上手に混ぜ合わせるかが命。空気に触れるとすったイモがだんだん茶色く、時間が経つと黒っぽくさえなってしまうので、酢水につけてはおろしていくとよい。
ムカゴは塩水でゆでるか、湯でゆでてから塩をふって食べる。皮ごと食べるが、気になる人はそら豆の要領で皮を残す。またムカゴご飯もヤマノイモの味そのもので、実にうまい。そのままでもよいが、塩やしょう油味などを軽くつけて炊き込み、酒をさっとふって蒸してもよい。
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