● ハシリドコロ(オメキグサ)
ナス科のハシリドコロは、全草に猛毒のアトロピンやヒヨスチンアミンを含み、これを食べると幻覚症状を引き起こし、錯乱状態でところかまわず走り回るので、ハシリドコロの名があります。芽出し時の若芽や葉は無毛でやわらかくてみずみずしい上に、どこかフキやゴマナにも似ているので、ついつい誤食してしまう事例が多い要注意植物です。ゆがいた葉をちょっとかじってみた限りでは無味無臭…。これではその後の恐ろしさを知らずに食べてしまうかも、と首をすくめつつ納得するしかありません。
分布は北海道を除く日本各地の山地の林床下や沢沿いの斜面などで、多く群生して生えています。花は4〜5月にホタルブクロの花を細長くしたような鐘形で、外側が暗紅紫色、内側が黄緑色、長さ2cmほどの特徴ある花を、各葉のつけ根に花柄を長く伸ばして斜め下向きに咲かせます。花時期は間違って採取することはないでしょう。
恐いのは、その少し前の新芽の伸び始めの時です。ハシリドコロかどうか不安に思ったら、一株根ごと引き抜くか掘りあげてください。根がロート根という太い根茎になっていたら、ハシリドコロです。さらに、これから地上部へ伸びようとしている若い茎の先端から下の方まで、薄くナス紺というか薄紫色をしていたら、間違いなくハシリドコロです。走って逃げましょう。
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