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森と湖の国フィンランド

第1回 フィンランドの自然紹介
 フィンランドと聞くと、まず森と湖の国、作曲家シベリウス、ムーミン、サンタクロース、サウナ、オーロラ、ヘルシンキ・オリンピックを連想される方が多いかと思われます。最近では、白樺から抽出した甘味料・キシリトール、ノキアの携帯電話、豪華客船の建造技術、そしてF1レーサーのミカ・ハッキネンをあげる方もいるかもしれません。
 フィンランドは日本から距離的に離れているように感じられますが、本当は日本から近い国なのです。直行便を利用すれば9時間余りでこの北欧の玄関口に降り立つことができます。国土総面積は338145平方キロメートルで、日本の約90%に相当します。人口はわずか517万人に過ぎませんから、過密国の日本人の眼にはフィンランド人の生活の随所にゆとりがあるように映ります。

南部、バルト海南西諸島国立公園の島嶼(夏)
 国土総面積のうち、10%が湖沼・河川で、そのうち500平方メートル以上の湖沼は何と188000個を数えます。森林面積は23万平方キロメートルで総面積の68%を占めています。北緯60度から70度にわたっているフィンランドは全面積の約3分の1が神秘的な北極圏に位置しています。四季折々の変化に富むフィンランドは昔からヨーロッパでも有数の大自然の宝庫として知られています。

中部、プーリヤルヴィ・イソスオ国立公園の湿原(夏)
 ほぼ1万年前に終結した最終氷期の影響を直接受けたため、その浸蝕・運搬・堆積作用によって現在の国土の地形は形成されています。南部は標高200メートル以下の比較的平坦な地形ですが、北部に向かうに従って次第に高低差が見られます。最高峰はノルウェーとの国境線上にあるハルティ山(1328メートル)です。汽水化して塩分に乏しいバルト海は生息している動植物に独特の環境を提供しています。バルト海近海にはおびただしい数の島嶼からなる、風光明媚な多島海風景が展開しています。また、フィンランドは世界でも有数の湿原国で、国土が南北に長いため多種多様なタイプの湿原が見られます。

北部の白樺林(夏)
 最終氷期後、フィンランド周辺地域から動植物が移動、定着してきました。国土のほとんどがタイガと呼ばれる北方針葉樹林帯に属しています。森林の主要な構成樹種は非常に種類が限られ、ヨーロッパアカマツ、ヨーロッパトウヒ、白樺です。全国的にはナナカマド、ヤナギ類、ネズノキなどが、中南部にはナラ、カエデ、シナノキなどが分布しています。日本の森林と違って林内に竹・笹類は全く見られず、代わりに多くの場所でベリー類が地表を覆っています。

中部、森林で観察されたクマゲラの巣(夏)
 国内では熊、狼、鹿、狐、狸、穴熊、兎、リス、モモンガなど67種の野生の哺乳類が、さらに希少種も含めて約350種の鳥類が確認されています。また、鮭・鱒科、鱸の仲間、カマス、ニシンなど77種の魚類が生息しています。北のラップランドには林内・原野に放牧されているトナカイが20万頭前後います。

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