home
森と湖の国フィンランド

第2回 フィンランドの紅葉

北部、ラップランドの紅葉
紅葉した小低木が被覆する低山の斜面、湿原、湖沼、
トウヒと山岳カンバが織り成すモザイク模様
 フィンランドの紅葉は、まずラップランド北部の山岳地帯で8月下旬頃から始まり、秋も深まるにつれて紅葉前線は一挙に南下してきます。
 フィンランド南部では9月中旬から10月中下旬にかけて紅葉のシーズンとなります。フィンランド語では紅葉のことをRUSKA(ルスカ)と呼び、人々はこの時期になるとベリー摘みやキノコ狩りも兼ねてこぞってラップランドの山岳地帯や近くの森林に紅葉観賞に出かけます。


中部、朝靄の立ち込める湖畔の風景
 日本の場合と同じように、フィンランドでも年により紅葉の当たり年と外れ年があります。

 特に発色状況は夏と初秋の気象条件や病虫害の被害の多少によって微妙に左右されます。また、秋霖や強風に打たれると葉が傷んだり、気温が突然急激に下がり過ぎると折角の紅葉は一挙に茶褐色に変色したりしてしまいます。

 北欧の紅葉は一般的に白樺主体の黄葉ばかりかと思われがちですが、実際は白樺の黄色、西洋ヤマナラシの黄色・橙色、カエデの赤色・橙色など色彩ははるかにバラエティーに富んでいます。さらにマツやトウヒなどトーンの異なる緑色の針葉樹をバックに落葉樹の色彩が一層映えてきます。

中部、シダレカンバの黄葉
学名はBetula pendula

南部、ヌークシオ国立公園の紅葉
アカマツやトウヒの緑をバックに白樺の黄色や
西洋ヤマナラシの橙色がひときわ引き立つ

北部、ラップランドの紅葉
地表の小低木はウラシマツツジ(深紅色の葉)、ナナカンバ(黄葉)、ガンコウラン(紫黒色の果実)、コケモモ(常緑革質葉)
 ラップランドの短い秋景色を錦のように彩るのは、山岳カンバやナナカマド、そして絨毯のように低山の斜面を覆い尽くしているコケモモ、ブルーベリー、クロマメノキ、ガンコウラン、ホロムイイチゴなどのベリー類やウラシマツツジ、チョウノスケソウ、ヤナギ類などの小低木や赤い実をつける多年草のエゾゴゼンタチバナです。


中部、カエデ並木
学名はAcer platanoides
 自然の紅葉に劣らず、街中の紅葉も見事です。
 街路樹として多用されている西洋ボダイジュの黄葉、公園や街路の植込みに使われているナナカマドやハマナスの園芸改良種の真っ赤な実、建物の壁を這い登る西洋キヅタの鮮紅色葉。
 色彩の演出者は探せば他にもたくさん見つかります。イチイの紅・黄色の実やセッコウボクの雪白色の実、西洋トチノキ、ナラ、シベリアカラマツの黄葉に加えて、カエデ、ザイフリボク、メギ、サンザシ、アロニア、コトネアスター、ズミの赤色、橙色、黄色といった色彩の取合せの妙。住宅街では色付いたリンゴの果実が、バルト海の入り江や湖岸では葦枯れが彩りを添えます。

 秋から冬にかけてのこの季節、街角ではナナカマドの実をついばむキレンジャク、ノハラツグミ、クロウタドリに、庭先ではハマナスの実を食べるカササギ、ヒワ、ホシムクドリなどの小鳥にも出くわします。森林ではアカゲラやリスがマツやトウヒの球果(松毬)から巧みに種子を抜き取ります。


中部、赤熟した果実をたわわにつけたナナカマド
学名はSorbus aucuparia

南部、エスポー市内自宅の庭
ハマナスの園芸改良種の果実
学名はRosa rugosa

森と湖の国フィンランド 目次

海外レポートトップ

ホーム

support@hanaippai.com
花いっぱい.com に掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
Copyright©2008 花いっぱい.com All rights Reserved.