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森と湖の国フィンランド

第4回 フィンランドの国立公園 全般
北部ラップランド、元来国内最初の国立公園のひとつ
パッラス・ユッラストゥントゥリ国立公園
 フィンランド国内には現在35ヵ所に国立公園が設けられていて、現在すべてがフォレスト・パーク・サービス(林野庁)の所管です。国立公園の総面積は8,853km2を占めています。フィンランドの国立公園では、国が公園の土地を全面的に所有していて、大規模な宿泊・スポーツ娯楽施設などはできるだけ公園の区域外に設置するよう努めています。

北部ラップランド
ウルホ・ケッコネン国立公園にてロシア国境方向の眺望
 
 歴史的には1880年、北回り航路の開拓者として有名なノルデンシェルドゥがまず国有地の一部を自然公園として原生状態で保存しようという提案を行ないました。1923年に制定された自然環境保全法に基づいて、戦前の1938年に国内最初の国立公園が4ヵ所で誕生しました。第二次世界大戦後、敗戦国となったフィンランドは旧ソ連への領土割譲に伴って、戦前に指定した2ヵ所の国立公園を失いました。1956年新たに7ヵ所で国立公園が指定されたのを契機として、その後国立公園が徐々に増えてきました。1983年には環境省が設立され、国立公園の整備がさらに進みました。1997年には自然環境保全法が全面的に改正され、自然の多様性の維持・存続が強調して謳われています。

中部、マツの老大樹が目立つ
ピュハ・ハッキ国立公園の林相
 フィンランドの自然は、過去に幾度にもわたって氷河時代を経験してきたこと、ユーラシア大陸からはほとんど隔絶されたフェノ・スカンディアと呼ばれる地理的に特殊な位置にあること、基岩のほとんどが世界でも最古の歴史(20億年前後)を誇る起源の古い先カンブリア紀の地層からできていることで特徴づけられます。花崗岩や片麻岩など酸性の岩石から生成された土壌が国土のほとんどを覆っていて、カルシウムを含んだ岩石が出現するのは北部と東部の一部に限られています。

中部、国際的にも貴重な湿原地帯
カウハネヴァ・ポホヤカンガス国立公園
 国立公園は一部の立入り制限地区を除いて一般に開放された自然保護地域で、フィンランドを代表する自然の風景地を将来にもわたって継承し、フィンランドに特有の生態系全体を保護することが設立目的とされています。各地の国立公園には早瀬、渓谷、森林、湿原、氷食湖やモレーン・エスカーなどの氷河地形、多島海といった多種多様な自然景観が見られます。また、国立公園の一部では過去の住居空間や農業などの産業活動の結果生じた伝統的な生活圏といった文化財の保存も図られています。

南部、森と湖で代表されるイソヤルヴィ国立公園
 国立公園は利用者に対してトレッキング、ハイキング、ピクニック、サイクリング、バードウォッチング、カヌー、クロスカントリースキーなど季節を問わず様々な形態の屋外レクリエーションの場を提供します。

南部、多島海風景が一面に広がる南西諸島国立公園
現在、全国29ヵ所にビジターセンターや国立公園管理事務所が設置され、そこでは利用者に常設・特別展示、リーフレットや視聴覚システムを使ってその地域の自然や動植物を紹介したり、自然解説員が利用者の質問に答えたりしています。

次回より国立公園を次のように大きく3つに分けて、それぞれの特徴を順番に解説していきます。
  • 森と湖で代表される中南部の国立公園
  • ラップランドの広大な山岳地帯の国立公園
  • バルト海沿岸の多島海風景が主体の国立公園
国立公園マップ

森と湖の国フィンランド 目次

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