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森と湖の国フィンランド

第6回 国立公園 ラップランド
 国内35ヵ所の国立公園のうち、8ヵ所が北緯65度以北のフィンランド北部にあり、この地域のほとんどがラップランド地方と呼ばれています。


ラップランドに推定20万頭前後放牧されているトナカイ
 北緯66度33分以北の北極圏では、夏と冬の日照時間の差が特に著しく、夏至の頃には少なくとも1日中太陽が地平線下に全く沈まない日(真夜中の太陽)や薄明の続く夜(白夜)があります。
 逆に冬至の頃には1日中太陽が地平線上に全く昇らない極夜(カーモス)があります。秋から翌年の春にかけては北の天空を中心に幻想的なオーロラが頻繁に観察されます。

 ラップランドは昔からトナカイ遊牧をしてきた先住民族サーミ人の居住地であり、さらに最近ではサンタクロースの故郷としても知られています。


ウルホ・ケッコネン国立公園にて山岳カンバとアカマツの疎林のなかを流れるせせらぎ
 フィンランド北部はゆるやかな波状地形からなり、そこに標高400m〜800mの残丘状の低山地帯が点在しています。ラップランドには国内で2番目に大きなイナリ湖(1102km²)を始め大小様々な湖沼やケミ川、トルニオ川といった大河が分布しています。


国内でも降水量の最も多いリーシトゥントゥリ国立公園の山腹斜面に発達した湿原
 この地域独特のアーパ湿原パルサ湿原があちこちで見られます。北部の森林ではアカマツや樹冠の細いトウヒなどの針葉樹、白樺の仲間、ナナカマド、ドロノキ、ヤナギ類などを除けば、中高木の広葉樹を見かける機会はめっきり減ってしまいます。


高山植物の一種でバラ科の小低木チョウノスケソウ(栽培品)
学名はDryas octopetala

ピュハ・ルオスト国立公園の紅葉
地表の小低木はウラシマツツジ(深紅色の葉)、ナナカンバ(黄葉)、ガンコウラン(紫黒色の果実)、コケモモ(常緑革質葉)
 ラップランドには林野に放牧されているトナカイのほか、野生のクズリやレミングが棲息しています。鳥類ではイヌワシやホッキョクフクロウなどの猛禽類(もうきんるい)のほか、ライチョウやアカオカケスなどがひっそりと住んでいます。
 日本では高山植物として扱われているチョウノスケソウ、エゾノツガザクラ、ミネズオウ、ウラシマツツジ、イワヒゲの仲間、ロードデンドロン・ラッポニクム、ホソバイワウメなどの小低木がこうした低山の頂上付近や山腹斜面に生えています。その開花時期や紅葉の盛りにはワイルド・フラワー・ウォッチングを楽しむことができます。


ウルホ・ケッコネン国立公園にて強風や雪の重みで
地を這うように生育するネズノキ
 北部の国立公園は国内でも人口密度が極端に低い地域にあり、ほとんど手付かずの自然が豊富に残っています。また、厳しい気象条件のため樹木の生長が遅いこの地域では、800年生前後のアカマツも見つかっているように老齢樹や立枯木がたくさん見られます。  


パッラス・ユッラストゥントゥリ国立公園の
山小屋風のホテル
 2500km²以上の国立公園も2ヵ所に設置されるなど、非常に広大な面積を擁する山岳地帯の国立公園がほとんどです。これらの国立公園ではその周縁部の自然に触れることは割合簡単ですが、国立公園の核心部の自然を探索するためには十分な経験とそれ相応の装備が必要です。


パッラス・ユッラストゥントゥリ国立公園で
トレッキングを楽しむハイカー達

オウランカ国立公園にて
渓流釣りを楽しむハイカー


国立公園マップ

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