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第8回の湿原に引き続き、今回はフィンランドで見られる典型的な湿原植物をご紹介します。世界有数の湿原国、フィンランドには、水分・栄養条件、気象条件、地形条件に応じて非常に変化に富んだ湿原植物が分布しています。しかもフィンランドに生育している多くの湿原植物が、日本の代表的な湿原でもよく出くわす植物なので、余計親しみが湧いてきます。

ホソバミズゴケ Sphagnum girgensohnii |
湿原を構成している蘚苔類のうち、一番重要なのがミズゴケの仲間です。フィンランドには37種類が知られ、このうち約半分がボッグ湿原に特徴的なミズゴケで、湿原の表面を赤色、茶色、黄色、黄緑色、緑色とカーペット状に染めます。チャミズゴケ、ムラサキミズゴケ、イボミズゴケ、ハリミズゴケ、スギバミズゴケ、キダチミズゴケ、ホソバミズゴケといった日本(全体で約40種類)との共通種もかなりの数に上ります。

ホロムイソウ Scheuchzeria palustris |
カヤツリグサ科の植物の中で初夏に白い球形の果穂をつけるのは、ワタスゲ、チシマワタスゲ、サギスゲ、ヒメワタスゲなどです。
ワタスゲと同じ生育環境である貧栄養性湿原には、北欧では高く評価されている橙色の果実をつけるホロムイイチゴ、さらにホロムイソウやタカネハリスゲも生育しています。

貧栄養性湿原 |
左の写真は、チャミズゴケ、ホロムイイチゴ、ガンコウラン(黒い実)、ヒメツルコケモモ(赤い実)、ヒメシャクナゲ、モウセンゴケ、ワタスゲに覆われている貧栄養性湿原の様子です。

イソツツジ Ledum palustre |

ヤチツツジ(別名ホロムイツツジ) Chamaedaphne calyculata
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ヨーロッパアカマツを主体とする森林・疎林湿原には、周囲に強い匂いを発し、多数の白花をつけるイソツツジ、食用になる藍黒色の液果をつけるクロマメノキ、エリカに似たカルーナ、矮性でもれっきとしたシラカンバの仲間のナナカンバ、ヤチツツジ(別名ホロムイツツジ)が小低木層を構成しています。

ツルコケモモ Oxycoccus quadripetalus |
また、ヨーロッパトウヒや広葉樹(ハンノキ、シッチカンバ)が生育する森林・疎林湿原には、同様の鉱物質土壌でも見られるブルーベリーやコケモモが地表を覆っています。
無立木の草本・ミズゴケ湿原には、ツツジ科で細い針金状の茎を這わせ、食用になる赤い液果をつけるツルコケモモや少し小形のヒメツルコケモモ、食用になる黒い液果をつけるガンコウラン、そして淡紅紫色の壺状の花を下向きに咲かせるヒメシャクナゲが見られます。

リュウキンカ Caltha palustris |
池沼、水湿地、水辺には、初夏に鮮黄色の花を開くリュウキンカやミズバショウに似た白い仏炎苞(ぶつえんほう)を開くヒメカイウのほか、コウホネやスイレンの仲間、ミツガシワ、クロバナロウゲ、ミクリ、ガマなどが生えています。

ラン科ハクサンチドリの仲間 Dactylorhiza maculata |
フィンランドの湿原では、日本でも御馴染みの食虫植物があちこちで観察され、モウセンゴケ3種類(モウセンゴケ、ナガバノモウセンゴケ、サジバモウセンゴケ)、コタヌキモ、ムシトリスミレが代表的な例と言えます。
また、ラン科のハクサンチドリの仲間は淡紅紫色や白色の清楚な花をひっそりと咲かせます。
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