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森と湖の国フィンランド

第14回 森と湿原のベリー類
 今回はフィンランドで見られる典型的なベリー類の野生種と一部栽培品種をご紹介しましょう。

青空市場でのベリー売りの店先(8月上旬)
左から露地ものの国産イチゴ、クロフサスグリ、アカフサスグリ、シロフサスグリ、野生のブルーベリー、
湿原のホロムイイチゴ
 ベリーとは果実の一種で植物学的には普通液果と呼ばれますが、キイチゴ類の集合果や、イチゴのように花托が肥大した部分を食用にしている偽果もあります。果物のうちで小果類(small fruits)と呼ばれる一群をさすことが多く、イチゴ、キイチゴ類、スグリ類、スノキ類、その他がこれに当たります。キイチゴ類はバラ科キイチゴ属(Rubus)の植物を、スグリ類はユキノシタ科スグリ属(Ribes)の植物を、スノキ類はツツジ科スノキ属(Vaccinium)の植物を指します。

ベリーをふんだんに使ったデザート
 一般に低木や背丈の低い多年草で、植栽してからも割合早期に結実し、果実は小型で可愛らしく、色調や風味にも変化があります。生食・冷凍保存用、砂糖漬けのほか、料理やパイ、タルト、ケーキ、ババロア、ムース、パンなどのお菓子づくりの材料となります。さらに加工してジャム、ゼリー、果実酒、発泡酒、リキュール、ヨーグルトなどの醗酵飲料、ジュースやネクター、アイスクリームやシャーベット、ガムや飴の風味づけ、チョコレートのフィリングなどに使われます。これらの用途の場合、単独で使われることもありますが、数種のベリーをミックスして使うことも多くあります。また、乾燥した果実や葉からはフレーバー・ティーが作られます。

ラズベリー園芸改良種
バラ科キイチゴ属ルブス・イダエウス
Rubus idaeus
 いくら短いと言われる北欧の夏でも、白夜で全国的に日照時間が極端に長くなるため、さんさんと輝く太陽光線をたっぷり浴びたベリー類は栄養価が高く、各種ビタミン類も豊富に含まれています。おまけに薬用効果も期待できることから民間療法の治療薬として昔から利用されてきました。さらに狩猟獣やトナカイなど少々くせがある肉料理の臭いけしとして添えられたり、染料としても使用されてきたりもしました。

ホロムイイチゴ
バラ科キイチゴ属
Rubus chamaemorus
 フィンランドにはいわゆるワイルド・ベリーをつける植物が約60種類自生しています。このうち、37種類が一応食用になりますが、一般的に採取・利用されているのはわずか16種類にすぎません。特に農村部では、コケモモ、ブルーベリー、ホロムイイチゴの商業的なベリー摘みが盛んです。また、世界有数の湿原国であるフィンランドの特産品としては、ホロムイイチゴ、ツルコケモモ、ヒメツルコケモモ、クロマメノキ、ガンコウランが挙げられます。

シロフサスグリ園芸改良種
ユキノシタ科スグリ属リベス・パッリドゥム
Ribes x pallidum
 ある程度の商業規模で栽培・生産されているベリー類は、スグリ類各種、ラズベリー、北米原産のブルーベリーの仲間、露地もののイチゴの栽培品種などです。当地の自然条件に適応する品種を作り出すため、外来種と国産の野生ベリー類との交雑もいろいろ試みられています。

ベリー図鑑

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