フィンランドには、カバノキ科シラカンバ属の樹木が3種類、さらに1亜種が自生しています。このうち、高木になるのはシダレカンバとシッチカンバです。中木のサンガクカンバはシッチカンバの亜種で、ナナカンバは高さ1m以下の矮性のカンバです。
シダレカンバは国民の人気投票で国の木に選ばれています。
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シラカバの葉の比較 左がシダレカンバ、右がシッチカンバ |
シダレカンバの自生地の多くが適湿な鉱物質土壌なのに対して、シッチカンバは過湿気味の湿原にも生えています。両者の違いは、生育地・分布のほかに、葉形、樹形、樹皮、種子の形、木の寿命などに見られます。しかしながら、場所によってはシダレカンバとシッチカンバが仲良く隣合って生えていることもあります。両者の雑種は余り多く報告されていませんが、それぞれの種内での形態的な変異は非常に富んでいます。
 シダレカンバの樹皮 南部、ヌークシオ国立公園 |
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 シッチカンバの樹皮 南部、エスポー市内公園 |
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| サウナの必需品、シダレカンバの小枝の束 |
フィンランドの湖畔のサウナでは身体を叩くのにシラカバの小枝を束ねたものが欠かせません。この時、葉がしっかりとついていて、ちぎれにくいシダレカンバが好まれます。ただし、シッチカンバの小枝を少し混ぜてやれば、爽やかな香りをもっと楽しむことができます。ヴィヒタと呼ばれるこの小枝の束を縛るのには、普通シッチカンバの小枝が使われます。
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シダレカンバの樹形の比較 普通のシダレカンバ(高木)と鳥眼杢が出るシダレカンバ(中木) |
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葉の切れ込みが比較的浅い変種 Betula pendula var. bircalensis フィン名 pirkkalankoivu(ピルッカラン・コイヴ) |
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正常なシダレカンバの台木に接木してあり、枝垂れ方が特に著しい品種。Betula pendula ‘Youngii’ フィン名 kyynelkoivu(キューネル・コイヴ) |
工芸的に美しい模様として賞用される鳥眼杢(birds' eye figure)が出たり、葉形が変化に富んでいたり、枝垂れ方が特に著しかったり、シダレカンバには多くの変種が見られます。
自然に出現するこれらの変種は、林業や園芸では特殊な用途に栽培・増殖されています。
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鳥眼杢が出るシダレカンバの変種 Betula pendula var.carelica |
鳥眼杢が出るヴィサ・コイヴ(visakoivu)と呼ばれる樺材は、フィンランドでは例外的に材積の代わりに重量を基準に取引きされ、とても高価です。
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| 鳥眼杢を使った各種工芸品 |
この樺材の利用法は、各種工芸品、ナイフの柄、内装材等で、当地では非常に高く評価されています。鳥眼杢が出る樹種は、国内ではほかにシッチカンバ、ハンノキ、ナナカマド、ヤナギ類がありますが、出現率ははるかに低くなります。
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