恵まれた環境のエスポー市
フィンランド南部、首都ヘルシンキ市の西隣の町、エスポー市(人口21万人)に引っ越してきたのが、今から4年程前、1997年6月下旬のことです。2世帯連続住宅平屋建ての片方、広さ54m²の2LDKの住宅に総面積約120m²の小さな庭がついています。付属の庭は北側、東側、そして南側の3ヵ所に分かれていて、南側の一画が一番大きなスペースとなっています。フィンランド園芸植物気候区分によりますと、エスポー市はIbの区域に属し、フィンランド国内ではガーデニングにとって割合恵まれた場所だということが言えます。
すぐ近くにはエスポー市立都市近郊林の中央森林公園(1400ha)があり、冬季にはクロスカントリー・スキーを、夏季にはサイクリング、周年散歩、ジョギング、自然探索、バード・ウォッチング等を手軽に楽しむことができます。
ガーデニング歴
さてこれまでのガーデニングの経験は、過去に東京の実家でツツジ類を中心に園芸植物や野菜を栽培したり、フィンランドに住み始めてからは各地で小規模に植物を栽培したりしたことはありましたが、このように本格的にガーデニングを始めたのはここ4年間のことになります。
気候
エスポー市は北緯60度付近に位置しながら、大西洋側を流れているメキシコ湾流(暖流)の影響で気候は北半球の同緯度の地域と比べて概して穏やかです。例えば月別の平均気温を比較してみますと、北海道札幌市(北緯43度)よりもほんの少し低めです。
冬季の最低気温は平年ですと−25℃止まりですが、年によっては−38℃近くまで下がることもあります。年間降水量は700mm程度で、例年根雪になるのはクリスマス前後から4月上旬にかけてで、積雪は多くても40cm以下とそれ程問題になりません。最近は暖冬の影響でしょうか、年によっては冬季でも気温が零度前後を上下してほとんど根雪にならないこともあります。このような場合、植栽植物が断熱効果を期待できる根雪による保護を欠き、しかも融雪水のため地面が過湿気味になる心配があります。また、敷地の周囲は森林、畑地、野原が隣接しているので、冬から春にかけてはリンゴなどの若木がウサギやネズミによる食害を受ける可能性があります。
植物の戸外での生育・栽培期間は5月から10月にかけてのごく短い半年間です。年によっては6月上旬や9月中旬に霜が降りることがあります。盛夏には日中の最高気温が30℃以上に上昇することもたまにありますが、夜間は20℃前後に下がります。夏至の頃には白夜が続き、日照時間が極端に長くなります。
適した植物
このような気候条件下、戸外で継続的に栽培できる樹木や宿根植物は、フィンランド国産や北欧原産の植物はもちろんのこと、北米寒冷地原産、シベリア原産、欧州アルプス・中部地域原産、東アジア北部地域原産、ヒマラヤ原産が中心になります。
1年草の場合、地植えに先立って早春に屋内で種蒔き、苗栽培を開始します。こうすることによって戸外の生育期間の短さを少しでもカバーでき、早期に開花させる利点があります。
栽培植物の選定
栽培植物の選定に当たっては次のような点に留意しました。
・耐寒性があり丈夫なもの
・開花時期の長いもの
・秋の紅葉も美しいもの
・冬季でも緑を楽しめるコニファー類、エリカやカルーナ、グランドカバー用の各種矮性常緑樹の利用
・狭い庭を立体的に利用できる蔓植物
・冬季地下に養分貯蔵器官のある球根植物の一部
・たとえ寒さのため地上部がほとんど枯れても春先新芽が根元から萌芽してくるもの
どうしても耐寒性が劣る植物は冬季特別の防寒処置や屋内への取り込みが必要になります。
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