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森と湖の国フィンランド・ガーデニング奮闘記

第4回 春の到来

玄関前、東側庭の3月上〜中旬の積雪状況
 フィンランド南部の都市、エスポー市(北緯60度付近)で例年初雪が舞うのは10月頃、それでも根雪になるのはクリスマス前後から4月上旬にかけてです。積雪は多くても40cmを超えることはほとんどありません。最近は暖冬のせいでしょうか、年によっては冬季でも気温が零度前後を上下してほとんど根雪にならないこともあります。


周囲に設置した金網がたまたま低かったため、上部の枝をノウサギによって食害されたリンゴの木
エスポー市内住宅街にて
 また、敷地の周囲は森林、耕地、野原が隣接しているので、冬から春にかけては南側庭に植栽してある樹木のうち、特にリンゴ、エニシダ、サンザシ、ズミ、ブルーベリーなどの木々がノウサギやノネズミによる食害を受ける可能性があります。食害防止のために、樹木の周りを金網や仮設の囲いで覆ったり、螺旋状プラスチック製保護パイプを樹幹に巻いたり、人畜に無害の忌避剤を定期的に撒いたりします。


南側庭の3月上〜中旬の積雪状況
 いくらエスポー市がフィンランド国内ではガーデニングにとって恵まれた場所だといっても、やはり冬季にはかなり厳しい気象条件になります。2月から5月にかけては地面が凍結しているのに、日増しに日照時間も長くなるとともに日差しがかなり強くなってきます。こうした時期に針葉樹のネズノキやストローブマツは常緑の針葉から蒸散作用が活発になるにもかかわらず、それを補う水分を土壌から十分根で吸収することができません。このような被害を防止するため、株全体を寒冷紗や防寒シート等で覆ってやる必要があります。


4月に満開となるスノードロップとクロッカス

4月に満開となるクロッカスとシラー各種
 春真っ先に開花する植物は秋植え春咲きの小型の球根類です。フィンランドのように戸外での植物の生育期間が極端に短い条件下では、耐寒性があって春先の少しぐらいの寒さなど物ともしないクロッカス、スノードロップ、シラーの仲間といった小型の春咲きの球根類は貴重な存在です。
 最低限の維持管理で毎年美しい花を楽しませてくれますし、長い間植えっぱなしでも少しずつ増えていきます。場所によっては球根類がノネズミに食害されてしまって、翌年にほとんど芽生えてこないこともあるそうです。


4月に満開となるクロッカス大輪系園芸品種
 クロッカスについては、主としてオランダで改良された大型で見映えのするクロッカス・ヴェルニスの園芸品種もそれなりに魅力的なのですが、それよりも小型で早咲きの可憐なクロッカス・クリサンサスや原種クロッカスを多く庭に植栽しています。



3月下旬〜4月にかけて満開となるクロッカス・クリサンサス各種
 1997年に南側庭の建物やテラスに近い場所にワスレナグサと混植してクロッカス・クリサンサス5種類を植えたのを手始めに、その後1999年に原種クロッカス各種をやはり南側庭の所定の場所に植え込みました。


4月に満開となる原種クロッカス各種
 アヤメ科サフラン属の球根植物、クロッカスの仲間はヨーロッパ中南部から中近東にかけて約80種類が自生していますが、大別して春咲き種と秋咲き種に分けられます。このうち、春咲き種の多くを少なくともフィンランド中南部で栽培することができます。当地では開花時期の関係からクロッカスの球根を芝生のあちこちに分散して植えることもよく行われますが、この場合クロッカスの生育期に芝刈り機で間違っても葉を傷めないことが大切です。


スノードロップ [学名]Galanthus nivalis
原産地:ヨーロッパ
 1999年に南側庭の一画にスノードロップ(ガランツス・ニウァリス)とシラー・シビリカ濃青花を、2000年にシラー・シビリカ白花とシラー・ミシュチェンコアナをザイフリボクの根元に植栽しました。これらの小型の球根類は特殊なものを除いて、少なくとも各品種20球、できれば30球以上まとめて購入することにしています。


シラー・シビリカ [学名]Scilla sibirica
原産地:ロシア中部、コーカサス、中東

シラー・ミシュチェンコアナ
[学名]Scilla mischtschenkoana
原産地:イラン、コーカサス

春を告げるクロッカス各種

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