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前回はケシ科のメコノプシス属の植物を紹介しましたが、今回はメコノプシス属以外のケシ科の植物を取り扱います。
ケシ科は、双子葉植物の離弁花類に属し、北半球の温帯や亜寒帯を中心に47属約700種類から構成されています。大部分は一年草あるいは多年草です。ケシ亜科、ケマンソウ亜科(エンゴサク亜科)、オサバグサ亜科に分けられます。これら3亜科に共通した特徴は、早落性の2枚の萼片と4枚の花弁を持つ両性花をつけ、子房上位であることです。乳管があって花が放射相称で雄しべが多数なのがケシ亜科、乳管を欠き花が左右相称で雄しべの本数が少ないのがケマンソウ亜科(エンゴサク亜科)です。オサバグサ亜科は、乳管を欠き花が放射相称で雄しべが4本で、日本特産でしかも一属一種です。

麻薬ケシの園芸品種 ‘デンマーク国旗’ 日本では栽培が禁止されている |
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ケシ科の植物の多くはアルカロイドを含み有毒で、ケシ、クサノオウ、コマクサなど昔から知られている薬用植物もたくさんあります。ケシ属、ハナビシソウ属、ケマンソウ属、メコノプシス属など美しい花をつけるものが多く、多数の種が園芸植物として利用されています。
ヨーロッパでは観賞用に普通に栽培されているパパヴェル・ソムニフェルムの仲間(特徴は茎が無毛で粉白色の緑葉)とパパヴェル・セティゲルムは、日本では麻薬取締法及びあへん法により、一般での栽培・輸入が禁じられています。ただし、完熟・乾燥した種子はアヘンを含まず、芥子粒として食用となり、芥子油も採取されます。

コリダリス キケマン属コリダリス・ルテア |
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ケシ科の植物の一部は少数ながらフィンランドにも自生しています。当地に自生しているケシ科の植物はすべてケマンソウ亜科(エンゴサク亜科)に属します。キケマン属の代表は、地下に丸い塊茎を持ち、紅紫花をつけるコリダリス・ソリダとコリダリス・インターメディアです。

クサノオウ クサノオウ属クサノオウ(二年草) |
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現在北欧諸国に自生している鮮黄花を咲かせるクサノオウは中世に修道院僧侶が最初薬草として持ち込んだものとされています。

フマリア フマリア属フマリア・オフィキナリス(一年草) |
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フィンランド中南部の畑地や公園で見かけるフマリア・オフィキナリスは一年草で、日本に自生している二年草のムラサキケマンを少し小さくしたような花形・草姿をしています。

ヒナゲシ |
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ケシ亜科のヒナゲシ、ナガミヒナゲシなどはもともと外来種ですが、中南部を中心に畑地、野原、道端でよく見かけます。こうした多くのケシ亜科の植物は19世紀中期以降当地に導入され、その後一部が野生化したものです。観賞用、薬用に人為的に持ち込まれたものもあれば、輸入品や交通機関に紛れ込んで国内に侵入してきたものもあります。

オニゲシの園芸品種 |
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日本ではケシ科の植物は春の花の代表ですが、当地ではほとんどの花が夏に開花時期を迎えます。開花時期・期間は種によって長短まちまちで、晩春に咲くサングイナリア属や初夏に咲き終わるオニゲシもあれば、追肥、潅水、花がら摘みを怠らなければ夏を通して咲き続けるアイスランドポピーやタカネヒナゲシなどもあります。
フィンランドでも多くの庭や公園に植栽されているケシ科の植物の魅力とは、花形、花色、開花時期、草姿の多様性でしょうか。
開花前は2枚の萼片に包まれて、開花する瞬間その萼片が落下してシワシワになった和紙が一挙に張り詰めるように花弁が展開します。
その花弁は絹状の光沢を持ち、光を微妙に透過するクレープのように薄く、花茎は軽快にそよ風に揺り動かされます。
鮮紅色、淡紅色、黄色、赤紫色、青色、白色、絞り、パステルカラーなど鮮明な花色とともに一重や八重など花形の変化にも富んでいます。メコノプシス属の花色のように他の園芸植物ではほとんど見かけない澄みきった空色の花色もあります。開花後も芥子坊主と呼ばれる球形・楕円形の果(さくか)はドライフラワーとして利用できます。

2002年7月中旬の南側建物寄りの一画 満開のヒナゲシ各種、ピエロ、エキナケア ヤグルマギクとサルビア・ビリディス |
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庭に植栽されているケシ科の植物は、メコノプシス属のほか、二年草(越年草)や多年草として、オニゲシ、アイスランドポピー、タカネヒナゲシ(パパヴェル・アルピヌム)、ミヤマヒナゲシ(パパヴェル・ラディカツム)、ハナケマンソウやタイツリソウ、キケマン属の仲間が数種、ヤマブキソウ、サングイナリア属の植物です。一年草では、ケシ、ヒナゲシ、ナガミヒナゲシ、アザミゲシ、ピエロ(パパヴェル・コンムタツム)、ハナビシソウなどを年ごとに場所と品種を適宜入れ替えながら栽培しています。

2002年7月中旬の南側建物寄りの一画 ヒナゲシ各種、ピエロ、エキナケア、ヤグルマギクが開花 |
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現在庭に植栽されているケシ科の植物は自分で種子から栽培したものがほとんどですが、中には自然に種こぼれで増殖したものや、園芸専門店から子苗を入手したものもあります。玄関先東側庭には半日陰を好むハナケマンソウやタイツリソウのほかキケマン属の仲間が数種とヤマブキソウを、北側庭で日当たりの良い場所にはオニゲシを植栽してあります。南側庭には、日向を好むそれ以外のものを適所に植え込んであります。
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