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海外からの花便り;ロマンチック街道から

第5回 バイエルンのアルプス・麦秋のフランケン
 バイエルンはドイツで一番南にある州のひとつです。
 州の南、オーストリアの雪深いチロル地方と背中合わせの山間部を「バイエルン・アルプス地方」と言い、冬にはスキーで、夏には観光客で賑わいます。
 州の北、400〜500mのなだらかな丘陵地帯を「フランケン地方」と呼びます。こちらにはワーグナーで有名なバイロイト、旧市街がすべて世界遺産のバンベルク、大きな街なのに静かなたたずまいのニュルンベルクそして、私の住んでいる村ローテンブルクがあります。


バイエルンの牧草地
 オーストリアとの国境近く、南バイエルンには牧草地帯が広がっています。この辺りは3000メートル級の山々が連なり、昔は春も長く雪が残ったせいで、農業には向かず酪農地帯として発展しました。


南バイエルンの山と湖
 なだらかな牧草地の南には、険しくて雪も積もらない峨峨とした峰々がそびえています。
 手前の湖は「フォルゲン湖」。湖の向こう、山の麓近くに小さく浮かび上がって見えるのは、よくガイドブックや旅行のパンフレットに載っている「新白鳥城」。バイエルン王、ルートヴィッヒ二世が造った夢のお城です。


ライ麦畑
 サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」や外国の小説で「ライ麦パン」と書かれているのを読んで別に何とも思っていませんでしたが、今ではこのライ麦を使った、浅黒くて中身がしっとりとしたライ麦パンが大好きです。ドイツ語ではロッゲンといいます。実は大麦よりも粒がグッと大きくて、青葉の頃も全体が少し白っぽい感じです。


麦秋、豊饒のフランケン
 日本語にはいい表現がありますね。「麦」の「秋」で麦秋(ばくしゅう)。最近はあまり使わないかもしれませんが、穂が重く垂れて一面に広がる麦畑を見ると何とも的を得ている感じです。私としてはマルコ・ポーロの「黄金のジパング」に対抗して「黄金のドイツ」と表現したいところです。
 果物が熟れたときの色よりも、穀物の収穫期の黄金色の方が「豊饒」という感じがしますが、どうですか?


麦とローテンブルク
 フランケン地方に広がる穀倉地帯は、標高が400mから600mの高原です。かつては冬の訪れが早かったことから、麦は冬蒔き・秋蒔きが普通です。麦が穂を垂らすのは7月の下旬で、8月上旬にかけて収穫されます。夏なのに麦にはもう秋が来てしまう訳です。でも、収穫祭はちゃんと10月に行われます。
ナンカ変な感じですね・・・。


麦わら
 よくある麦わらのロールです。利用方法は日本と同じです。でも麦ワラ帽子はあまり見かけませんね。

 ちなみに第2回でご紹介した町「ディンケルスビュール」の「ディンケル」は、南ドイツの方言で小麦の一種「スペルト小麦」のことを指します。辞書には「パン麦」とも書かれています。

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