調香師の香り紀行「マダガスカル」 home

文・写真 島崎直樹
フランス調香師協会の「香りの道」
マダガスカル旅行に参加して
「香料」第205号(2000.3)別冊

第一回  出発準備

 10年程前にフランス調香師協会(当時は調香技術者会と称していた)主催のブルガリアへのバラ見学旅行に参加した経験があったので、今回も雰囲気は変わらないだろうと気楽な気持ちで参加した。

 一行は総勢25名、ドイツ人が2人スイス人が1人ベルギー人が1人それに日本人の私、他はすべてフランス人であった。

 マダガスカルは日本と時差が7時間あり、その上気候が極端に違うので、年齢的にも体が付いていけないと思い、どちらかでも前もって慣らしておきたいので、旅行は1999年9月22日からであったが、数日前にパリに入り美術館を訪ねたり写真を撮ったりぶらぶらし時差を解消した。ついでに久しぶりに使うフランス語の錆も多少落とした。

 マダガスカルへの入国に際してはビザが必要で、東京のマダガスカル大使館で取得した。現地の空港に到着してからも、入国手続き前にビザは入手できるが、非常に混雑するので日本で取ったほうが良い。大使館でコレラが流行しているので、予防接種を受けるようにアドバイスされ、有楽町の交通会館の医院でとても痛い注射を2回受け予防接種証明書を発行してもらった。

 パリの旅行社からマラリアに気をつけるようFAXが来たが、日本では予防薬が入手できない。東京と横浜の検疫所に問い合わせたが全く不親切でわからずじまいであった。パリに着いてから町の薬局で聞いてみると、医者の処方箋がないと販売出来ないが、空港で聞いてみればと教えてくれた。出発の日に空港の薬局で聞くと、ビザと航空券を持っていれば入手可能であった。さすがフランスは熱帯地方に植民地を持っていた国である。商標がSAVA-RINEで1日1錠、マラリア汚染地域を出てからも潜伏期間である4週間は飲み続けることと記載されている。副作用で多少の覚醒効果があるらしく睡眠障害を起こすので朝に服用、人によっては幻覚症状がでる場合もあると聞かされていたので、恐る恐る飲んだが鈍いせいか私には副作用がなかった。

 マダガスカルに関する情報は非常に少なく日本語の旅行案内書も見つからなかった。丸善でLonely Planet社の案内書(英文)を入手した。とても詳しく良い本であるが、読めば読むほど病気や治安の悪さを強調してあり、行きたくなくなるような記述がやたら目につく。しかたがないので気休めに殺虫剤や蚊取線香、体にスプレーする防虫剤、その他親類の医者に頼んで抗生物質や胃腸薬など思いつくもの全て集めた。上着も暑いだろうが虫に刺されないよう長袖のシャツだけにし、靴は沼地を歩いてもいい防水の効いたブーツを一足スーツケースにいれた。

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