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● 9月27日 SOAVOANIO社の広大な椰子のプランテーションを見学に行き、椰子に雌雄があるのを初めて知った。人工受粉、収穫、その後の様々な加工をほとんど人手によって行っている。強い直射日光の下、12時間以上かかって椰子の固い皮を100個剥くような過酷な労働で日当はわずか100円程度。椰子の葉で屋根を葺いた粗末な小屋に家族全員で住んでいる。もちろん電気は来ていない。移動の自由はあるが、現代の奴隷制度を見ている気がしてカメラを向けるのをためらったが、あまりに彼らの笑顔が美しかったので、許可を得てからシャッターを押した。屈託がなく人なつっこい魅力的な人たちである。
これが話に聞いていたオバーブッキングというものかと驚いた。どうせ全員は搭乗しないであろうとたかをくくっているのと、係員が賄賂を貰い満員であっても発券してしまう場合があるそうで、今回はどうも後者らしく2時間遅れでノジベー(Nosy-Be)に着いた。
小高い丘が幾重にも連なり、太い樹齢数十年のイランの樹が、地面にのたうつかのごとく這っている。本来なら高さ10メートル以上になる大木だが、花を収穫しやすくするため低くしてある。
畑に隣接し蒸留工場がある。イランイランは私の知る限り分留する唯一のエッセンシャルオイルで、実際に蒸留中にかなり細かく時間ごとにサンプルを採取していた。ここではイランイランの水蒸気蒸留の他にヘキサンによる溶剤抽出もしておりイランイランコンクリート(Ylang Ylang Concrete)も作っているとのことだが実物は見せてもらえなかった。見学を終わると辺りはもう真っ暗、バスでホテルへ行くが停電で何も見えず、ロウソクの火で部屋に案内された。
イランイラン畑に行き花の摘み取り作業を見学し、昨日とは別の薪を燃料にした原始的なイランイラン蒸留工場で写真を撮っていると、不運なことに2台のカメラの電池が殆ど同時に切れてしまった。ホテルには予備を持っているのだが、タクシーをチャーターしても往復2時間近くかかるといわれあきらめ、その後は全く写真を撮れず自分の不注意に腹がたった。 幸いにもこの日の午後は休息に当てられ、近くの無人島へボートで行き、珊瑚礁の椰子の木陰でピクニック、冷えたワインを飲んでノンビリと昼寝をした。 遠くに白いヨットが浮かび、夕暮れには大きな太陽が沈み、あかね色に染まった空は息をのむほど美しかった。 |
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