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トロピカルガーデンシティ シンガポール

第4回 シンガポール植物園 (2) 「レインフォレスト」
 シンガポール植物園の中に「レインフォレスト」と呼ばれるエリアがあります。レインフォレストと聞いてあなたはすぐに「熱帯雨林のことでしょ?」と答えられますか?日本にいたときの私は「ん?なんだっけ?」の人の一人でした。

 日本にいると「熱帯雨林」は遠い国のお話でしかありません。草木が生い茂り、ターザンが飛び回るジャングル…そんなイメージしかない人が大半なのでは? でも私たちが知らないだけで、熱帯雨林は私たちの暮らしと深いかかわりがあります。これを読んでいるあなたが、もし「熱帯雨林ビギナー」だったら、ちょっとでいいから熱帯雨林に興味を持っていただけたらいいなぁ…と思っています。


レインフォレストの中の園路
 植物園のレインフォレストは4ヘクタール。1859年にこの場所に植物園が作られたとき、まだ手つかずの熱帯雨林として残っていたエリアを、そのまま保存してあるエリアです。この中に遊歩道が設けられ、特徴的な植物には樹名札がつけられて、熱帯雨林を気軽に観察、散策できるようになっています。
 シンガポールは本当に狭い国なので、ラッフルズさんが貿易港として開いて以来、あっと言う間に全島の開発が進み、手つかずの熱帯雨林は20世紀始めにはもうほとんど残されていませんでした。
シンガポールの原生林は、今では、島の中央部にある自然保護エリアの森の一部に残っているだけです。それ以外に残されていて、しかも街の中から気軽に到達できる場所にあるということで、植物園のレインフォレストエリアは、色々な観点から価値のある場所になっています。

 しかし。「すごい。価値がある。」と言われても、何の下知識もない人がレインフォレストエリアに足を踏み入れたところで、樹木と蔓植物とよくわからない下草があるだけで、なんとなく薄暗いし「よく、わかんない!」と叫んで足早に出てきてしまうのがオチ。ですから本当は下知識を持って出かけるとよいのですが、そんなことはむずかしいですよね。そんな方たちのために、植物園では定期的にレインフォレストガイドツアーを行っています。
つい最近まで英語と中国語だけだったのですが、今年の3月から日本語のガイドも月に1、2回始まりました。お出かけになる時は事前に調べて出かけられるとよいと思います。

 熱帯雨林については、ちょっとやっそとでは語り尽くせないので、植物園内のレインフォレストで見られる植物や風景をいくつかご紹介しましょう。

◇ ◇ ◇

まずはこのトゲトゲの幹みたいなもの…何でしょう?

答えは「ラタン」。そう、籐製品の原材料のラタンは熱帯雨林の中にあるものなんです。
こんなトゲトゲのもの、森の中で見かけても、籐の家具とか、コースターとか全然想像がつきませんよね。

そして幹にいっぱいついた、たくさんの実みたいなもの。ぼこぼこしていて「これ何〜?気持ち悪い!」なんて言っていた人たちがいました。

これは実なんです。そして花でもあります(花でも実でもある…なぜなのかはそのうち説明します)。幹に花や実がつくのは熱帯植物の特徴の1つで、「幹生花(かんせいか)」もしくは「幹生果」と言います。

この根っこは何?

変なかっこうですよね。板のようになって幹を支えるので「板根」と言います。この根はコンクリートの園路のためにきちんと育つことができず、ひしゃげた板根になっています。

こちらも根っこ。

ポールのような根がたくさん立っています。これも不思議。日本の森の中では見かけないものです。


 どれも熱帯雨林の中ではよく見かける植物達。どうしてこんなかっこうをしているのか?そして、どんなふうに暮らしているのか?知れば知るほど熱帯雨林は面白いものになります。折に触れ、1つ1つ説明していきますね。

◇ ◇ ◇

 立派な熱帯雨林はまだ、ボルネオ島などに残っています。でも、そこまで行くのはけっこう大変。とりあえず、ちょっとだけ熱帯雨林を覗いてみたいなぁ…そう思ったら、ぜひぜひシンガポール植物園のレインフォレストを訪れてみてくださいね。

  参考 シンガポール植物園ホームページ

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