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トロピカルガーデンシティ シンガポール

第9回 ブキティマ自然保護区(Bukit Timah Nature Reserve)
オナガザル(Long-tailed Macaque 学名:Macaca fascicularis)

「サルに餌をやるな」の看板
 サルは世界中にたくさんの種類がいるのだけど、このお猿さんはニホンザルと属が同じなので、見た感じもよく似ています。ブキティマをはじめ、シンガポールの自然保護区ではどこに行ってもよく出会います。
 ただ、日本でもニホンザルのイタズラが問題になっているように、このサルも人間が食べ物を持っているようなそぶりを見せると取りに襲ってきます。サルとヒト、お互いに嫌な気持ちにならないために、サルに会ったら、そ知らぬ顔をして、でも威厳を持って通り過ぎてください。間違っても食べ物をあげたりしないで。サルに食べ物をあげることは法律で禁止されていて、「エサをあげたら罰金1万ドル」という看板が立っています。冗談ではないので、ちゃんと守ってくださいね。
 サルは熱帯雨林の中で「植物の実を食べて、種を遠くまで運ぶ」という重要な役割を果たしているのだそう。人間が食べ物を与えてしまうと、植物の種が運ばれなくなるだけでなく、食べ物を探す時間が必要なくなってサルたちは子作りに励んでしまい、サル人口が増えて、森の中の生態系が狂ってしまうんだよ…と説明版には書いてありました。

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マレーヒヨケザル(Malayan Flying Lemur 学名:Cynocephalus variegatus peninsulae)
 サルと名前がついていますがサルではありません。分類上ではとっても「わけがわからない動物」なのだそうで、サルの仲間に入れられたり、コウモリの仲間に入れられたり、果てはモグラの仲間にされたり、紆余曲折を経て今は独立した「ヒヨケザル目ヒヨケザル科」の動物と考えられています。フィリピンからタイ、マレー半島、ジャワ、ボルネオ、スマトラにかけて1属2種だけのとても珍しい哺乳類です。
 珍しいとみんなが言うので「滅多に見られないものだろう」と思っていたのですが、ブキティマやマクリッチリザーバー周辺では時々見かけます。夜行性で、昼間は写真のように木の幹にくっついてじーっと過ごしています。ですから見つけるのがなかなか難しいのです。
 夜は木の高いところまで「よいしょよいしょ」と登って、ムササビなどと同じように空中をぴゅーっと滑空します。前足から後ろ足、しっぽにかけて、体の周りの皮膚が薄い膜になっていて、グライダーのようにきれいに滑空できます。
 子どもはお母さんのお腹にしがみついていて、時々横から顔を覗かせています。夜行性なので目が大きくて、もう…めちゃくちゃカワイイ!

「ビジターセンターの近くの木によくしがみついて葉を食べているよー」と案内所のお兄さんが教えてくれました。皆さんも目を凝らして探してみてくださいね!
(左の写真の幹の右側…わかりますか?体長は30cm〜40cmです)

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フタバガキ

フタバガキの花と落ち葉
(学名:Shorea curtisii)
 シンガポールの熱帯雨林の代表選手の植物は、前回ご紹介した「フタバガキ」。ブキティマにはパッチ状に手つかずの原生森が残っているので、その部分には多くのフタバガキの木があります。もし、フタバガキが多くあれば、そこが「手つかずの森の部分」と考えてよいようです。2005年はフタバガキの一斉開花の年だったので、花が落ちたものや、実をたくさん観察することができました。

 こちらはフタバガキの板根。フタバガキの板根はもっと立派なものが森の中にいっぱいあるのですが、森の中では色々なものが前に立ちふさがっていい写真が撮れず、皆さんにお見せできないのが残念。でも実際に来ていただいて、「うわーっ!」て思ってもらうのが何よりもよいと思うので、機会があればぜひ足を運んでください。
東京の夢の島熱帯植物館(⇒ホームページ)には、実物の板根の展示があるそうですから、「シンガポールまで行けないよー!」という方は見に行ってみて! その大きさにきっとビックリすると思います。


フタバガキの花
(学名:Dipterocarpus caudatus ssp penangianus)
 これは落ちていた花。実(み)と同じように花も色々なタイプがあります。フタバガキの木はとっても背が高いので、花が咲いているところを実際に目にすることはできません。だからお花は、上ではなく、地面を探すと見つかります。これ、熱帯雨林でお宝を発見するときのコツの一つです。「目線だけじゃなく、地面も探すこと!」


フタバガキの発芽
 こちらは「二つの羽を持った実から発芽したばかりのフタバガキの赤ちゃん」。実(み)の形がそのまま残っている様子がわかりますか?かわいいでしょ。
こんな場面に遭遇できる機会は本当にほとんどないので、このフタバガキの赤ちゃんを見つけたときにはものすごく感動しました!

 これは森の様子です。フタバガキの回でも書いたように、熱帯雨林の高木は下から上までほとんど同じ太さで、途中に余分な枝は無く、まっすぐに伸びているので、こんな感じの風景になります。
細く見えるけど、直径50cm以上の木がゴロゴロ。デカイ…。

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ブラックリリー(Black Lily, Bat Lily 学名:Tacca integrifolia )
 花に毎回必ず出会えるわけではないですが、ブラックリリーの株そのものは頂上までの道にもたくさんあります。
花が咲いていても花びらが黒いので気付きにくいのですが、いったん発見すると、その花の形の奇妙さにしばし魅入ってしまいます。

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スコルピオンプラント(Scorpion Plant, Scorpion Tail 学名:Pentaphragma ellipticum )
 この花は見つけにくい!株の大きさはせいぜい高さ30cmくらいまで。
15cmくらいの長さの、先端が丸っこく、テカテカと光る分厚い葉を見つけたら、その下にこのお花が咲いていないか探してみてください。名前の通り、さそりのしっぽに似た小さな花の塊が見つかるかもしれません。

 この花の塊は6〜8cmくらいの長さ。さそりのしっぽがクルンと丸まったような形をしています。この中に直径6mmくらいの小さな花がいっぱい集まっているのです。小さな花の色は白というかクリーム色と言うか…。
花の真ん中はほんのり紫色に染まっています。じつは、咲いたばかりの新しい花では、この部分は白っぽいのです。
虫による受粉が終わると真ん中の色が紫っぽく変化して、「もう来なくていいよー」とメッセージを送るのだそうです。面白いねぇ。
シンガポールではブキティマだけで見ることができます。

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